機能性ディスペプシアの原因と鍼灸での治し方を解説
「病院で機能性ディスペプシアと言われたけど具体的な治療法が無くて困っている」「日に日に症状が強くなり治るのか不安」など、機能性ディスペプシアの症状が辛くてお困りの方へ。
今回は機能性ディスペプシアがなぜ起こるのか、メカニズムから鍼灸での治し方まで徹底的に解説していきます。
機能性ディスペプシアを薬に頼らず治すのが当院の鍼灸施術

心身の状態を健康な元の状態に元すのが鍼灸施術の真髄です。薬物療法に頼らず、根本的に体質を改善し、不安が生じにくい身体づくりが可能です。
病院では原因不明と言われている疾患の患者様が全国各地からご来院し、改善している実績が豊富にございます。
機能性ディスペプシアの原因と鍼灸での治し方を解説
機能性ディスペプシアの主な症状には、次のようなものがあります。
- 食後に胃が痛い・重い
- 食後の胃もたれがする
- 胃の膨満感がある
- 食事をしても消化不良感がある
- 食後に気持ち悪くなり、吐き気がする
- 沢山食べると気持ち悪くなる
- みぞおちや腹部に存在感がある
- 食欲不振で食べられない
- 胸やけや逆流してくる感じがある
- 胃がバクバク、ドクドク動く感じがする
- 常に胃腸がギュルギュル動く感じがある
上記のような症状がある方は機能性ディスペプシアかもしれません。
その原因や適切な対処法、注意点、治す為のポイントを解説していきます。
機能性ディスペプシア(機能性胃腸症)とは

機能性ディスペプシアは、胃の痛みや胃もたれなどの症状が慢性的に続くにもかかわらず、胃カメラなど、病院の検査では異常が見つからない病気です。機能性胃腸症とも呼ばれます。
文字通り、胃腸の構造的には問題がなく、胃腸の機能が上手く働いていない状態が機能性ディスペプシアです。
機能性ディスペプシアの原因とメカニズム

胃腸の運動障害
胃腸は消化吸収をする際に収縮や拡張を行っております。その運動機能に障害が起こることで食物が上手く消化されなかったり、運べないという事が起きてきます。
具体的に言うと、食べ物が胃に入った時に胃が拡張しないと、食べてすぐにお腹が膨れる早期膨満感という症状が出てきます。逆に食べた後に胃が収縮しないと、食べ物を十二指腸に送れず、胃が重い感じや胃もたれという症状が出てきます。
このように胃腸は柔軟に動くことで、食べ物を消化吸収しているのですが、その機能が上手く働かないことが機能性ディスペプシアのメカニズムとなっています。
胃腸の感覚過敏
胃腸の感覚が敏感になる事でも機能性ディスペプシアの症状が出てきます。病院の検査で異常が無いけど、痛みや不快感を感じるという事は、患部に炎症などは起きておらず、解剖学的には問題が無い状態だけども、感覚が敏感で痛みや不快感を感じている状態です。
胃腸の消化酵素の分泌過多
通常、胃の食物が十二指腸に運ばれると胃酸の分泌は止まります。ですが機能性ディスペプシアの場合は胃の排出能が低下しているため、食物が胃に留まってしまい、胃酸が出続けるという事が起きてしまいます。
他にも、ストレス等により副腎皮質ホルモンが分泌されることで、胃粘膜の保護に必要なプロスタグランジンの生成を阻害し、胃粘膜が損傷するという事が起きてきます。その結果、胃痛や胃もたれなどを引き起こします。病院の検査では異常ナシと言われるほど微妙な刺激ですが、感覚過敏の状態の機能性ディスペプシアは症状を強く感じます。
ヘリコバクターピロリ菌の感染
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)は、通常生物が生息できない強酸性の胃の中で、自らアンモニアを産生して胃酸を中和して胃粘膜に棲みつきます。ピロリ菌を除去する事で、一定の割合で機能性ディスペプシアの症状が消失または改善する事が期待できます。この場合は、厳密には機能性ディスペプシアとは別に、ヘリコバクター・ピロリ関連ディスペプシアと呼ばれます。
機能性ディスペプシアは自律神経の乱れが原因

機能性ディスペプシアのほとんどは自律神経の乱れが原因で引き起こされます。
自律神経のが正常に働かない事で胃腸の蠕動運動が働かず、前述したような症状が出現します。
日々のストレスや睡眠習慣、食事習慣の乱れが原因で自律神経が機能障害を起こしてしまいます。
自律神経の不調は病院の検査では引っかからない為、具体的な治療法が無く、お困りの方が非常に症状となっております。
様々な不調を合併するのが特徴
自律神経の機能障害が原因で起こる不調ですので、胃腸の不調だけに留まらず、様々な不調が出てきます。胃がドクドクするのと同時に動悸がしたり、不安感なども出現するケースもあります。
睡眠障害なども合併している場合も多く、長期化すると不調の数が増え、対処療法として服用する薬もどんどん増えてきてしまいます。
機能性ディスペプシアと自律神経失調症の違いは?

機能性ディスペプシアは胃腸に限定した病名ですが、自律神経失調症は体全体の状態を表した言葉です。厳密身言えば自律神経失調症は病名ではなく、自律神経が関わる様々な不調の総称として使われます。
なので、自律神経失調症の方の中に機能性ディスペプシアの症状を訴える人はいます。その場合は機能性ディスペプシア以外の自律神経が関わる症状を併発している場合が多い為、体質を改善し、根本的に体の機能を変えていく事が症状を治す上では非常に重要になります。
機能性ディスペプシアは食べるのが怖い・不安になるのも特徴

機能性ディスペプシアは食事の後に胃もたれや胃の不快感、膨満感や痛みを伴うのが特徴なので「食事をすると不調になる」という思考に陥りやすくなります。その為、食事をすることへの恐怖や不安を覚えるようになり、食事の量が減少し体重も減り、食事の間隔や回数が減る為、余計に胃腸の機能が乱れ不調になるという悪循環が起きてきます。
なので、その様な不安を解消する為に精神科や心療内科を受診する人も少なくありません。
病院での治療は対処療法

病院での治療は薬物療法が中心になります。抗うつ薬、抗不安薬などが処方されますが、どれも対処療法となります。
薬で症状を抑えても、根本の原因のストレスや、自律神経の機能が改善する訳ではないので、薬の服用を止めてしまえば元の状態に戻ることがほとんどです。
逆流性食道炎と機能性ディスペプシアが間違われるケースが多い
胃もたれや胃の不快感といった症状がある事から病院で逆流性食道炎と診断されるケースが非常に多いです。
逆流性食道炎の薬として胃酸の分泌を抑える薬が処方されますが、機能性ディスペプシアの方が、胃酸を抑える薬を服用すると症状が悪化し慢性化してしまう事が多く、当院にご来院される患者様でもそのようなケースが当てはまります。
胃腸の働きが低下しているのに胃酸を抑えてはダメ
機能性ディスペプシアは胃腸の機能が低下している状態です。その状態に対して胃酸の分泌を抑える逆流性食道炎の薬を服用すると、さらに胃腸の機能が低下してしまいます。
機能性ディスペプシアと逆流性食道炎は似ている症状ですが、身体の機能としては逆の働きをしていますので、薬を服用する際は注意が必要です。どちらか分からない状態で薬を服用するのは非常にリスクですし、対処療法でしかないので、薬物療法以外の選択をすることをお勧めします。
自律神経の働きを正常にする事で改善できる

ピロリ菌以外の原因の場合、全て内臓の機能を担っている自律神経が大きく関わります。
機能性ディスペプシアの病態「内臓の機能」を司る自律神経が正常に働いていないと、胃腸の運動障害が起きたり、感覚が敏感になったり、消化酵素のバランスが崩れたりしてきます。
全ての内臓機能の働きを正常に戻すことで機能性ディスペプシアの改善が見込まれます。
機能性ディスペプシアに鍼灸がおすすめの理由

体の機能を根本的に変えることができる
鍼灸治療は自律神経や免疫に作用する為、身体の根本的な機能を変えていけます。
当院の鍼灸施術は心地よく優しい刺激で行う事で副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせ、脳や身体の過剰な緊張を取り除くことで自律神経の乱れを解消し、症状を治していきます。
施術中に眠ってしまうほどの優しい刺激ですので初めての方でも安心して受けられます。
マッサージでは届かない深部の筋肉を緩める事ができる
整体やマッサージでは届かない深部の筋肉へのアプローチは鍼灸施術が非常に有効です。
関節付近の細かな筋肉はストレッチなどでは対応できない場合が多いので、当院の鍼灸技術によって、その様な難しい部位へのアプローチが可能になります。コリや痛みなどの身体的なストレスが解消されることによって心身の緊張が解けてきます。
再発しない健康な体を維持できる
症状が出る要因は様々ですが、ストレスや疲労が一定以上蓄積されると症状が出現するというのが特徴でもあります。つまり、仕事や家事で疲れた時は症状が出やすくなるし、ストレスを感じたり、嫌なことがあれば症状が出てくるという事です。
そして、一度症状が出現すると、症状が出現するボーダーライン(閾値)が下がってしまいますが、鍼灸施術はそれらのボーダーライン(閾値)を上げることができ、再発しない身体づくりが可能です。
機能性ディスペプシアに対する鍼灸治療の効果

内臓の機能を高める
手足に鍼灸施術をすることによって副交感神経が高まり、内臓の機能が活発に動き始めます。
腹部や足には胃腸に関するツボが多く存在し、それらを刺激し内臓の機能を整えていきます。
同時に腹部の筋肉の緊張を解消する事で胃腸がスムーズに動くスペースを確保し、蠕動運動を促します。それにより消化吸収が効率よく行われますので、食べ物を受け入れられる身体の状態を作ります。
心身の緊張を緩和しストレスを解消する
心理的なストレスにより心身が緊張状態にあると、交感神経が優位になり続け、自律神経の機能にメリハリが無くなります。交感神経の緊張を解くには身体的な筋肉の緊張を解消する事が重要です。
特に首や背中、前腕には緊張が生じやすくなる為、その周囲にあるツボを刺激し身体の緊張を解消していきます。それにより睡眠の質も向上し、身体が元の健康な状態に戻る為の回復力を促します。
睡眠の質を向上させる
改善する上で重要な睡眠も鍼灸で改善する事が可能です。眠れているけど疲れが取れないという場合は睡眠が浅い可能性があります。浅い睡眠とはレム睡眠のことを指し、脳が覚醒し夢を見ている状態です。その状態が長く続くと疲労が取れず、次の日に持ち越します。ノンレム睡眠の比率を高め、深い睡眠をとれるように心身の緊張を取っていきます。頸部や背部の緊張が睡眠の質を妨げますので、そのあたりの緊張を解消していきます。
免疫バランスを整える
鍼灸は白血球の機能や量を整える効果があります。組織の炎症や無駄な細胞を貪食するマクロファージの機能を向上させたり、抗体を産生する時に重要なヘルパーT細胞の機能を向上させる効果がありますので、免疫が関わる疾患に鍼灸治療は非常に有効な手段のひとつと言えます。
免疫機能を整えるだけでなく全身の血管を緩め血流循環の改善も行いますので、より効率的に体質の改善ができるようになります。
腹部の緊張を取り胃腸が動きやすいようにする
上記の施術で自律神経の機能が正常に働いても、胃腸が蠕動運動をするには柔らかい腹部が必要です。ガチガチに腹筋が緊張している腹部では胃腸もスムーズに動きません。腹部の緊張に関わる手足のツボや腹部のツボを刺激に緊張を解消していきます。
腹部の筋肉が緩むことで内臓の血流循環が向上する体性内臓反射を利用しながら施術していきます。
末端の冷えを取り除き腹部の緊張を解消する
胃腸に関わるツボは手ではなく、足に集中しています。東洋医学の経絡的にも説明ができますし、筋肉や神経の繋がりや血管の走行からも説明できます。足に続く血管は内臓にも繋がっており、足が冷えるとその冷えた血液が内臓に届き内臓も冷やしてしまいます。
以上のことから、足の緊張や冷えを解消する施術をすることで遠隔で腹部の緊張や冷えも解消できるという事になります。
機能性ディスペプシアの鍼灸は何回で効果が出る?治療期間の解説

個人差はありますが、当院での鍼灸治療によって症状が改善するおおよその治療回数は8回前後です。
8回前後の施術を受けると調子が良い状態で安定してくることが多いです。
ですが、生活環境や生活習慣、心理的なストレスなどが関係する為、それらに影響され症状の波が出現しますので、人によって差はあります。
それらを加味した上で大体の人が8回前後の施術を受けると効果を実感してきます。
機能性ディスペプシアの鍼灸治療の推奨ペース
症状が辛い場合、治療の初期段階では週1~2回のペースで治療し、症状が安定してきたら週1~2週に1回のペースで治療の間隔を空けていきます。
毎日受ければその分早く治るのかというとそうではありません体質の変化によって機能が失われている状態ですので、症状が出ない元の体質に戻していくには一定の時間が必要になります。当院の治療の回数を加味すると2~3か月程の治療期間で症状が安定してくる方が多いです。(もちろん個人差はあります)
機能性ディスペプシアの鍼灸は保険適用か?

結論から言うと適応外です。ただし、一部例外があります。
基本的に鍼灸治療は保険適応外になりますが、一部の疾患に限り保険が適応する場合があります。
具体的に言うと「神経痛」「リウマチ」「五十肩」「頚肩腕症候群」「腰痛症」「頸椎捻挫の後遺症」以上の6種類の疾患に該当し、医師の診断を受け、鍼灸を受ける事についての同意が得られている場合のみ保険が適応になります。
機能性ディスペプシアとして保険は適応することはできませんが、他に該当する疾患がある場合は適応になる場合もあります。
機能性ディスペプシアになるストレスの種類

身体的なストレス
身体や脳の疲労、全身のコリや緊張を指します。
身体や脳に疲労が蓄積されることで、身体機能が低下したり、脳の神経回路が常に惰性で活動状態になるので、オンとオフの切り替えが上手くいかず、自律神経も乱れていきます。
鍼灸や整体、運動、ストレッチなどの日々のケアで緊張を解消する事が重要です。
心理的なストレス
日々マルチタスクに追われていたり、リフレッシュできる環境が無い場合や認知の歪みが起きている場合に心理的なストレスが蓄積されます。
認知とは、物事をどう認識するかという事で、それが歪んでいるとストレスを感じるという事です。
認知の歪み、白黒思考、完璧主義、べき思考などと言いますが、今まで生きてきた価値観が正しい、常識だと思い込み、それに当てはまらない事象が起こるとストレスを感じるという事が起きてきます。
認知を変えることで心理的なストレスの軽減に繋がりますので、認知療法や認知行動療法が重要になってきます。
環境的なストレス
生活習慣、職場環境、家庭環境、人間関係に由来するストレスです。不規則な生活習慣や、仕事が忙しく、睡眠時間の確保ができないなど、環境がもたらすストレスがコレにあたります。
目の前の課題、問題をどう解決していくか、感情に支配されず、論理的に物事を考える問題解決能力が必要となります。
「嫌われるかもしれないから話せない」「休みたいけど言えない」など本来解決しなければならない問題があるにも関わらず、感情に支配され、問題を先送りにしてしまい、ストレスが溜まり続けるという事が多く起こりますので、環境が大きなストレスになっている場合は、冷静に対処する必要があります。
機能性ディスペプシアを治すうえで注意すべきポイント

食事は小まめに一定の量を摂取する
胃腸に負荷をかける事は自律神経に負荷をかけるということです。一回の食事の量が極端に多かったり、一日一食だけで血糖値の乱高下を激しい食生活をしていると、内臓に負荷がかかり症状が出る要因になります。消化のために食後に胃に血液が集中しすぎる事で、動悸などの二次的な症状も出やすくなりますので、注意が必要です。具体的には一日3~5食にし、量を減らして小まめに摂取する方が症状が出にくくなります。
消化に良い食事を心がける
脂質の多い食事や栄養バランスの乱れた食生活をしていると胃腸に負担がかかります。
また、消化酵素を排出する内臓も疲弊してきますので、和食中心の食事に切り替えられると良いでしょう。
規則正しい睡眠習慣、食事習慣を心がける
自律神経のバランスが重要なのは食事だけではありません。睡眠も同様です。
就寝時間や起床時間がバラバラだと自律神経のリズムも乱れてきます。
逆に睡眠習慣を整えて自律神経のリズムも整ってくれば、おのずと食事をする際の自律神経のリズムも整ってきます。その際に食事の時間が不規則だと胃腸に負担がかかり、自律神経のリズムも乱れてくるので注意が必要です。
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