寝違え(首の痛み)の原因と鍼灸での治し方を解説
「病院で寝違えと言われたけど具体的な治療法が無くて困っている」「日に日に症状が強くなり治るのか不安」など、寝違え(首の痛み)の症状が辛くてお困りの方へ。
今回は寝違え(首の痛み)がなぜ起こるのか、メカニズムから鍼灸での治し方まで徹底的に解説していきます。
寝違え(首の痛み)を薬に頼らず治すのが当院の鍼灸施術

心身の状態を健康な元の状態に元すのが鍼灸施術の真髄です。薬物療法に頼らず、根本的に体質を改善し、不安が生じにくい身体づくりが可能です。
病院では原因不明と言われている疾患の患者様が全国各地からご来院し、改善している実績が豊富にございます。
寝違え(首の痛み)の主な症状には、次のようなものがあります。
- 朝起きたら首が痛くて動かせない
- 首が痛くて振り向けない
- 上を向くと首が痛い
- 下を向く作業をしていると首が痛くなる
- 首が痛くて頭痛がする
- 首の痛みと腕にシビレも出てきた
- 何もしなくても首がズキズキと痛い
上記のような症状がある方は寝違え(首の痛み)かもしれません。
その原因や適切な対処法、注意点、治す為のポイントを解説していきます。
寝違えの原因とメカニズム

寝違えは様々な事が原因で首の筋肉や関節、靭帯が損傷し炎症を起こしている状態です。
首を動かした時に生じる痛みや可動域の制限、症状が悪化すると腕や指先にシビレや痛みなどが出現します。
ですが、寝違えを起こし痛みが出ているというのは結果であって、原因は他にあります。
首の筋肉や関節だけでなく様々な要因があり、寝違えに繋がりますので、それらの原因を解説していきます。
猫背などの不良姿勢
猫背などで肩や首が前方変位を起こすと頸部の筋肉に過剰な負荷が生じ筋肉が緊張してしまいます。
本来であれば、身体の真上に頭が来るため、骨や靭帯が頭部の重さを支えてくれます。ですが、姿勢不良によって頭部が前方に変位してしまうと、筋肉を過剰に収縮させないと重力に対して姿勢を保持できない為、慢性的に頸部の筋肉が収縮し緊張が生まれてしまいます。
胸椎の柔軟性低下
本来、頸椎の可動域は狭く、動きにくい関節になっています。特に回旋動作では第一、第二頸椎の間の関節(正中環軸関節)の可動域がほとんどを占めており、他の頸椎は動きません。
その分、身体の回旋や伸展などの可動域は胸椎が担っています。
ですが、胸椎が硬くなり可動域が低下すると、その分頸椎を過剰に動かさなくてはならなくなります。その結果、関節や筋肉に負担がかかり寝違えを発症する事になります。
内臓(胃腸など)の冷えや緊張
内臓の状態と頸部の状態は関連性が深いです。内臓を支配している迷走神経は延髄から出て首を通過します。内臓が冷えたり、緊張を起こすと迷走神経が引っ張られ緊張します。それにより周囲の組織や筋肉も緊張を起こし、寝違えを起こしやすくなります。暴飲暴食やお酒の飲み過ぎ、冷たい物の食べ過ぎなどには注意が必要です。
組織の瘢痕化(古傷)
一度損傷した組織や筋肉は修復される過程で線維化し瘢痕化します。ケガをした際に出血し、カサブタが形成され、その後治っていくと思います。ただ、カサブタが取れても、皮膚の色が違ったり、傷跡が残っていたという経験はないでしょうか。一度傷ついた組織は完全に元の状態に戻るわけではなく、膠原繊維(コラーゲン線維)が不規則に並び、傷を修復します。その状態の組織は外からのストレスに弱く、再度損傷するリスクが高まりますので、一度首を痛めていたり、寝違えを起こしている場合は注意が必要です。
就寝中の不良姿勢
日中の姿勢だけではなく、就寝中の姿勢によって頸部に負荷が生じ寝違えの原因になります。枕の高さやマットレスの硬さ、心理的なストレスによる過剰なレム睡眠の割合など、様々な事が要因となり、就寝中の姿勢や身体の緊張は決まります。寝具の選定やストレスの緩和をすることで寝違えの再発を防げます。
胸椎が動かないことによる代償動作の蓄積

先程説明した通り、頸部の筋肉や関節に負担がかかるのは、胸椎の柔軟性が低下している可能性があります。人体の関節にはスタビリティ関節(固定性の関節)とモビリティ関節(可動性の関節)の2種類が存在しており、両者は必ず隣り合っています。そうする事で、効率よく正しく関節を動かすことが可能になります。
例えば、足関節はモビリティ関節で、様々な方向に動くようになっていますが、すぐ上にある膝関節は屈曲伸展と少しの回旋動作しか行えません。手関節と肘関節も同じような仕組みになっています。
そのような固定性と可動性のバランスが崩れた時に関節や筋肉に負荷が生じ腰痛を発症します。
頸椎は本来動かない
足や腕以外にも脊柱も同様です。頸椎は固定性、胸椎は可動性、腰椎は固定性、股関節は可動性となっています。
頸椎が固定というイメージな無いかもしれませんが、関節ごとの可動域を調べるとほとんど動いていません。実際に動いているのは胸椎と頸椎の一部の関節だけがとても動いています。
胸椎と上部頸椎(正中環軸関節)が施術のポイント

つまり、寝違えの痛みで可動域に制限が出ている場合、胸椎と上部頸椎(正中環軸関節)の可動域を向上させることが重要になります。
それらの関節はモビリティ関節となっており、正常な可動域に戻すことで、頸部の負担が減り動かした際の痛みが軽減します。なので、寝違えの施術をした際は施術の直後に可動域が向上し、痛みが軽減することを実感できます。
寝違えの痛みがある部位の過度なマッサージはダメ

寝違えを起こした場合、下部頸椎~肩~肩甲骨の内側あたりに痛みが響くことが多いと思いますが、痛みが出ている箇所は無理にマッサージしたりしないようにしましょう。患部に炎症が起きているので強いマッサージや刺激を加えると炎症が悪化し痛みが強くなる可能性があります。
マッサージをされている時はイタ気持ちよかったり、効いている感じがすると思いますが、施術後、帰宅したら痛みが悪化するという事はよくある事です。
鍼灸は最低限の刺激で組織の再生を促す
マッサージは外からの強いストレスを加える為、患部の関節や靭帯に負荷をかけ悪化させる可能性がありますが、鍼灸施術ではその様な事は起こりません。
炎症が起きている部位に的確に最小限の刺激を加えることで鎮痛効果を高め、炎症を早期に終わらせることができます。なので、患部以外の関節や筋肉は鍼灸やマッサージなどで緊張を緩め、可動域を向上させ、痛みが出ている患部は鍼灸のみで炎症を取り除くという施術を行います。
一度痛めた(損傷した)組織は脆くなる

寝違えに限らず、一度損傷した組織は何もしなければ完全に元の状態には戻りません。戻すには適切な施術とリハビリが必要になります。一度傷ついた組織は、修復する過程で膠原繊維(コラーゲン線維)に置き換わります。
ですが、何もしないとその膠原繊維が不規則に固まり団子のように纏まります。
それがコリや古傷として残るのですが、それは柔軟性に乏しく、外からの外力や筋収縮のストレスに耐えられません。よって一度寝違えを起こした組織は、再度痛めやすいという事が起きてきます。
寝違えを起こした時は冷やした方が良い?温めた方が良い?

結論、痛みの状態の質によって変わります。寝違えの初期「何もしなくてもジンジンして痛い」という状態の時は患部を冷やすことで炎症を抑え痛みを軽減する事ができます。
ですが、炎症はずっと続くわけではありません。基本的に2~3日程で炎症は治まりますので、その後は冷やす必要はありません。(ジンジンした痛みが無くなったら冷やさなくてよい)
ジンジンとした痛みは無く、動かした時だけ痛いという場合は温めた方が良いです。
その場合は炎症は起きていない可能性が高いので、患部を温め血流循環を促し、組織の再生を促していきましょう。
寝違えを起こした時は安静にした方が良い?動かした方が良い?

痛みが強い時は基本的に安静にしましょう。無理に動かすことで炎症を強めたり、組織の損傷を広めてしまう可能性があります。痛みによる可動域の制限が無くなったら、背中の柔軟性の向上や頸部の筋肉の再教育、背部の筋力トレーニングを適宜行う事で再発を防げます。
寝違えを起こさない枕の高さはどれくらい?

就寝中の不良姿勢も寝違えを起こす要因になりますが、枕の高さも重要になります。
人体の構造上、枕の高さは1~5センチ程度で十分と言われております。高すぎると頸部の筋肉や関節に負担がかかり緊張を生む要因になります。
ですが、枕の高さには好みがあるという事が問題です。身体の構造の問題ではなく、心理的に落ち着く高さや、眠りやすい高さというのがあるはずです。これは人それぞれ違いますので、難しいですが、基本的にはバスタオルを何回か折ったくらいの高さで十分です。
寝違えを鍼灸で治す為に重要なポイント

寝違えを鍼灸で治す為に必要なポイントは
「患部の緊張緩和と血流循環の改善」
「末梢の神経の緊張緩和」
以上の2点です。
患部の緊張緩和と血流循環の改善
寝違えによって痛める筋肉は様々ですが、代表的な筋肉として肩甲挙筋が挙げられます。
この筋肉は第1~4頚椎の横突起から肩甲骨の上角に付着している筋肉で肩甲骨の動きや頸部の回旋動作などに作用します。このような筋肉の損傷や頸椎の椎間関節や靭帯の損傷が寝違えの主な原因となる可能性が高いので、可動域を確認し、的確に施術していきます。
上部頸椎(正中環軸関節)の可動域を向上させるツボ

上部頸椎の可動域を向上させることで動かした時の痛みが軽減されます。
施術のポイントとして天柱(てんちゅう)風池(ふうち)完骨(かんこつ)というツボが挙げられます。これらのツボは後頭部と頸部の境目に存在し、首の緊張や眼精疲労、自律神経の乱れなどに効果があり、鍼灸院ではよく使用するツボになります。これらを施術する事で上部頸椎周囲の筋肉の緊張が緩和し可動域が向上します。
末梢の神経の緊張緩和

首から出ている腕への神経は全て繋がっています。首に痛みやこわばりを感じている場合でも、末梢の首に繋がる神経を緩めることで首の痛みやこわばりが緩和します。
筋肉の緊張を緩和したり、組織の回復を促すのには時間がかかりますが、神経の緊張を緩めるのには時間はかかりません。その為施術の直後に効果を実感しやすいのが当院の施術の特徴になります。
東洋医学の経絡でも首の痛みのツボは手首の周囲に集中している
東洋医学には経絡というツボの通り道が存在しますが、西洋医学の神経同様、首や肩から指先まで繋がっています。そして、首の痛みに効果のあるツボは手首の周囲、肘の周囲に集中しています。
曲池、手三里、合谷、陽池、中渚などがありますが、どのツボの経絡も頸部を通過しており、東洋医学では首の痛みの出る部位によって、施術する経絡、ツボを変えていきます。
東洋医学の経絡、西洋医学の神経の両方の面からみても、首だけでなく、肘や手首の周囲も同時に施術する事が重要とされています。
症状を改善させるにはしっかりとした技術と知識が必要

いずれもただ鍼を刺せば良いという訳ではありません。痛みやシビレが出ている場所から原因となる神経を特定し、的確に施術していく必要があります。
解剖学と鍼灸の技術が両方必要になりますので、他の鍼灸院では簡単には出来ない施術です。
痛みの少ない施術ですが、深部のコリや神経の付近に鍼の刺激が加わると「ズーン」とした鈍く響くような痛みが出る時があります。
寝違え(首の痛み)に対する当院の治療

心身の緊張を取り除き脳の興奮を解消していく
当院の鍼灸施術は心地よく優しい刺激で行う事で副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせます。
脳や身体の過剰な緊張を取り除くことで自律神経の乱れを解消し、症状を治していきます。
施術中に眠ってしまうほどの優しい刺激ですので初めての方でも安心して受けられます。
深部の筋肉や神経に的確にアプローチ
筋肉や神経の走行を解剖学的に熟知していますので、痛みやシビレの原因の部位へ的確にアプローチできます。整体やマッサージだけでは届かない深部の筋肉や血管にアプローチし、症状を改善へと導きます。
同時に筋力低下を起こしている部位へのトレーニング指導も行います。無理のない範囲で、分かりやすくご説明しながら行いますので、誰でも簡単に正しい身体の使い方を習得できます。
再発を防げ、ずっと健康に
不調には波が存在します。「昨日は大丈夫だったけど今日は辛い」「さっきまで大丈夫だったのに、また急に出てきた」「今週は本当にしんどい」など、症状の波があります。
症状が出る要因は様々ですが、ストレスや疲労が一定以上蓄積されると症状が出現するというのが自律神経の不調の特徴です。つまり、仕事や家事で疲れた時は症状が出やすくなるし、ストレスを感じたり、嫌なことがあれば症状が出てくるという事です。
そして、一度症状が出現すると、症状が出現するボーダーライン(閾値)が下がってしまうのが問題です。
鍼灸施術はそれらのボーダーライン(閾値)を上げることができ、再発しない身体づくりが可能です。
当院での寝違え(首の痛み)の改善例
当院の施術は根本的に改善していく事が可能

当院では「身体的なストレス」と「心理的なストレス」両方からアプローチしていきます。
自律神経と痛みに特化した鍼灸整体院として豊富な知識と技術を兼ね備えており、病院やマッサージ、整体など、どこに行っても治らない不調を抱えている人が全国各地から数多くご来院し、改善しております。
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