坐骨神経痛の原因と鍼灸での治し方を解説
「病院で坐骨神経痛と言われたけど具体的な治療法が無くて困っている」「日に日に症状が強くなり治るのか不安」など、坐骨神経痛の症状が辛くてお困りの方へ。
今回は坐骨神経痛がなぜ起こるのか、メカニズムから鍼灸での治し方まで徹底的に解説していきます。
坐骨神経痛を薬に頼らず治すのが当院の鍼灸施術

心身の状態を健康な元の状態に元すのが鍼灸施術の真髄です。薬物療法に頼らず、根本的に体質を改善し、不安が生じにくい身体づくりが可能です。
病院では原因不明と言われている疾患の患者様が全国各地からご来院し、改善している実績が豊富にございます。
坐骨神経痛の主な症状には、次のようなものがあります。
- お尻やももの裏が痺れて痛い
- 足の痛みやしびれ(片足のことが多い)
- 筋力低下(足に力が入りにくくなる)
- 排尿障害(頻尿になったり、尿意を感じにくい、尿が出にくいなどの症状)
- 皮膚表面の感覚がおかしい
- 足先に冷感や灼熱感を感じる
- 足に締め付けられるような痛みがある
上記のような症状がある方は坐骨神経痛かもしれません。
その原因や適切な対処法、注意点、治す為のポイントを解説していきます。
坐骨神経痛の正体

坐骨神経は、人体で最も太い神経です。腰の下から出ておしりの後ろを通り、太ももの後ろ面から足にかけて広く分布しています。
その坐骨神経の通り道が何かしらの原因で障害され、痛みやしびれ、感覚異常などが現れる症状を坐骨神経痛といいます。
どの部分で坐骨神経が圧迫されているのかを的確に検査し、神経を傷害している原因を鍼灸施術で取り除いていきます。
坐骨神経痛になる主な原因

腰椎椎間板ヘルニア
力仕事や激しいスポーツなどで椎間板に負荷が生じると椎間板の中の髄核が椎間板の外に押し出されることがあります。これが椎間板ヘルニアです。
坐骨神経が出ている下部腰椎でこれが起きると、とびだした髄核が坐骨神経を圧迫し、坐骨神経痛が発症することがあります。
梨状筋症候群
坐骨神経はおしりの後ろを通るときに筋肉や靭帯の隙間を通って足のほうへ向かっています。その時に坐骨神経を圧迫しやすい筋肉が梨状筋です。梨状筋はおしりの深い部分にあり股関節を外に開く作用がありますが、疲労の蓄積や筋力低下などにより筋肉が強張ることで、すぐそばを通っている坐骨神経を圧迫してしまうことがあります。
腰部脊柱管狭窄症
年齢を重ねることで背骨の中心にある脊柱管という穴が変形してしまいます。
脊柱管の中にある黄色靭帯という靭帯が肥厚し分厚くなることで、神経の通り道を狭め圧迫してしまいます。これを脊柱管狭窄症といい、ヘルニアと違って両足に坐骨神経痛が出ることもある難治性の疾患です。歩いていると腰から足にかけて痛みやしびれ、脱力などが起こり、前かがみの姿勢で休憩をとると回復するという特徴があります。
病院の検査で異常がない場合は梨状筋症候群や筋肉のコリが原因

椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の場合はいずれもレントゲンやCT、MRIなどの画像診断で見つかることが多いですが、梨状筋症候群や筋肉のコリが原因の坐骨神経に関しては病院の検査で見つかることが少ないです。
坐骨神経の通り道のどこで障害されているのかを的確に見極め、患部を緩めることで症状が改善していきます。
坐骨神経を圧迫するのは深部の筋肉
人体において神経や血管は重要な臓器である為、外部からの影響で傷つきにくいように身体の深部を走行するようになっています。なので、坐骨神経が障害される部位もおのずと深部になってきます。
体表面の手技では届かない深部の筋肉の緊張により坐骨神経痛は発症しますので、それらの筋肉の緊張を緩和する為には鍼灸施術は最適な施術と言えます。
坐骨神経痛になる原因

腰が原因の場合
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症を除く、筋肉由来の症状に関して解説いたします。
坐骨神経は腰から足まで走行しており、腰の筋肉の緊張が原因で坐骨神経痛が出現する事があります。具体的に言うと多裂筋や脊柱起立筋という筋肉です。それらの筋肉は腰椎の関節付近に付着しており、緊張する事で腰椎に圧力が加わり、坐骨神経を圧迫する事があります。
鍼灸施術の方法
シビレや痛みが出ている場所から、原因の神経を特定し、その神経に関わる部位の多裂筋や脊柱起立筋の緊張を緩めていきます。患部の血流循環を改善する事で、神経の血流循環も改善し、症状がラクになっていきます。
お尻が原因の場合
お尻の筋肉のコリが原因で坐骨神経痛が出ている場合は梨状筋という筋肉が原因の場合があります。
梨状筋は坐骨神経の近くを走行しており、臀部の冷えや筋力低下の影響で筋肉が緊張し坐骨神経を圧迫する事があります。臀部は分厚い脂肪組織に囲まれているため、体表面から梨状筋を触れることはできず、マッサージも届きません。
鍼灸施術の方法
長い鍼を使用して梨状筋にアプローチしていきます。梨状筋以外にも中殿筋や小殿筋という筋肉も股関節の安定性に関わる為、それらの筋肉が筋力低下を起こすことで、股関節が内側に捻じれます。結果的に梨状筋や中殿筋、小殿筋が引っ張られ、緊張しコリを形成してしまいます。
上記の筋肉は全て深部の筋肉になりますので、鍼灸で血流循環を促進し緊張を緩和していきます。
症状を改善させるにはしっかりとした技術と知識が必要

いずれもただ鍼を刺せば良いという訳ではありません。痛みやシビレが出ている場所から原因となる神経を特定し、的確に施術していく必要があります。
解剖学と鍼灸の技術が両方必要になりますので、他の鍼灸院では簡単には出来ない施術です。
痛みの少ない施術ですが、深部のコリや神経の付近に鍼の刺激が加わると「ズーン」とした鈍く響くような痛みが出る時があります。
通院回数とペースに関して
初回の施術で効果を実感する事が多いですが、痛みがぶり返さず完治するまでには少し時間がかかります。重症度や個人の体質によっても異なりますが、多くの場合は5~8回くらいの施術で症状が落ち着いてくることが多いです。
症状が辛い場合は週2回の通院を勧めております。痛みやシビレが落ち着いてきたら週1回~2週に1回くらいのペースに切り替えていきます。
一般的な症状のおおよその改善期間
身体の不調が鍼灸によって変化するおおよその回数と期間です。
1~2回の施術で症状が消失する場合もありますが、身体の機能が崩れている不調の状態から元の健康な状態に戻るには時間がかかります。(個人差はあります)
通院ペース | 症状が安定する期間 |
週2回 | 1か月~2か月 |
週1回 | 3か月~4か月 |
2週に1回 | 6か月~ |
坐骨神経痛を鍼灸で治す為に重要なポイント

坐骨神経痛を鍼灸で治す為に必要なポイントは
「患部の緊張緩和と血流循環の改善」
「末梢の神経の緊張緩和」
以上の2点です。
患部の緊張緩和と血流循環の改善

坐骨神経痛を悪化させる要因の一つに患部の筋緊張があります。
椎間関節を跨いで付着している筋肉が緊張し収縮すれば関節の圧力が強まり、坐骨神経痛が悪化する可能性があります。
患部の周囲の筋緊張を緩和し、血流循環の改善を改善する事で、圧迫されている神経の修復が早まります。
坐骨神経の周囲の血管にアプローチするのがカギ

痛みやシビレが出ている場所に応じて、腰椎の4番から出ている神経なのか、5番から出ている神経なのかなど、アプローチする部位が変わってきます。そして、その神経の血管付近に刺激を加えることで、血流循環を促進し痛みやシビレを緩和していきます。
末梢の神経の緊張緩和

腰部から出ている足への神経は全て繋がっています。臀部で神経が圧迫された場合、その圧迫により末梢の神経が引っ張られ、緊張し痛みが出ているというメカニズムです。
つまり、末梢の神経の緊張を緩めることにより、腰部も緩み、痛みやシビレがラクになるという事が起きてきます。
根本治療と対処療法が同時にできる
鍼灸整体により患部と末梢の両方を緩めることで、紐のように繋がっている神経の緊張を全体的に緩めることが可能です。
それらを同時に行う事で、その都度、施術直後から痛みを緩和しつつ坐骨神経痛の原因の解消も行えます。両方に同時にアプローチできるのは鍼灸施術だけです。
治らない理由はストレスが関係しているかも

病院の画像診断でも異常ナシ、整体や鍼灸を受けたけども一向に良くならない。もしくは、治りきらないという方は心理的なストレスが関係しているかもしれません。
心理的なストレスを感じると、脳が過剰に興奮し、痛覚を始めとするあらゆる感覚に敏感になります。その結果、痛みやシビレが残存するという事が起きてきます。身体的な症状ですが、自分が受けている心理的なストレスも見直すことが重要です。
治す為に改善すべきストレスの種類

身体的なストレス
身体や脳の疲労、全身のコリ、遺伝や性別によるバイタリティの差などを指します。
身体や脳に疲労が蓄積されることで、身体機能が低下したり、脳の神経回路が常時、惰性で活動状態になるので、オンとオフの切り替えが上手くいかず、自律神経も乱れていきます。
男性と女性では筋肉量や脳の作りが違うので、できる仕事も違いますし、疲れやすさも人によって変わってきます。
心理的なストレス
心理的なストレスが原因の場合です。日々マルチタスクに追われていたり、リフレッシュできる環境が無い場合や認知の歪みが起きている場合に心理的なストレスが蓄積されます。
認知とは、物事をどう認識するかという事で、それが歪んでいるとストレスを感じるという事です。
よくある例えですが、コップに半分まで水が入っているのを見て、「半分しか水が入っていない」とネガティブに捉えるか、「半分も水が入っている」とポジティブに捉えるかで気持ちは変わります。
つまり、現実で起きている事実は同じでも、捉え方によってストレスの感じ方が変わるという事です。
認知の歪み、白黒思考、完璧主義、べき思考などと言いますが、今まで生きてきた価値観が正しい、常識だと思い込み、それに当てはまらない事象が起こるとストレスを感じるという事が起きてきます。
「〇〇して当たり前」「〇〇はすべきだ」「必ず〇〇でなければならない」など、その人特有の考え方のクセがあると、それが原因でストレスを感じ、不調に陥るという事が多くあります。
環境的なストレス
生活習慣、職場環境、家庭環境、人間関係に由来するストレスです。不規則な生活習慣や、仕事が忙しく、睡眠時間の確保ができないなど、環境がもたらすストレスがコレにあたります。
目の前の課題、問題をどう解決していくか、というのが大切になってきます。感情に支配されず、論理的に物事を考える問題解決能力が必要となります。
「嫌われるかもしれないから話せない」「休みたいけど言えない」など本来解決しなければならない問題があるにも関わらず、感情に支配され、問題を先送りにしてしまい、ストレスが溜まり続けるという事が多く起こります。
坐骨神経痛を治すうえで注意すべきポイント

臀部のストレッチで腰部への負荷を減らす
股関節の柔軟性が低下する事で、股関節の動きを代償するように腰部が過剰に動きすぎてしまう事があります。そのようなケースでは、股関節の柔軟性が向上させることで、腰部への負荷が減り、痛みやシビレが軽減する事があります。中でも中殿筋のストレッチが非常におススメです。
臀部の筋力トレーニングを行う
梨状筋が緊張する原因として筋力低下が考えられます。股関節を外側に開く作用があるので歩行時、片足立ちの際に働く筋肉ですが、筋力が衰えると股関節が不安定になり、骨盤が支えられなくなります。結果的に膝が内側に入り梨状筋が引き伸ばされてしまうので緊張しコリを形成してしまいます。
それらを根本的に解消するには梨状筋のトレーニングが必要不可欠です。
冷えを解消する
先程説明した通り、坐骨神経は腰から足先まで繋がっています。それが、どこで緊張を起こしても痛みやシビレが出ますので、腰やお尻に原因があったとしても足先が冷えることはよくありません。足が冷えることにより神経が緊張し引っ張られてしまうので、余計症状が強くなる可能性があります。
常に保温し温めるようにしましょう。
坐骨神経痛に対する当院の施術

心身の緊張を取り除き脳の興奮を解消していく
当院の鍼灸施術は心地よく優しい刺激で行う事で副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせます。
脳や身体の過剰な緊張を取り除くことで自律神経の乱れを解消し、症状を治していきます。
施術中に眠ってしまうほどの優しい刺激ですので初めての方でも安心して受けられます。
深部の筋肉や神経に的確にアプローチ
筋肉や神経の走行を解剖学的に熟知していますので、痛みやシビレの原因の部位へ的確にアプローチできます。整体やマッサージだけでは届かない深部の筋肉や血管にアプローチし、症状を改善へと導きます。
同時に筋力低下を起こしている部位へのトレーニング指導も行います。無理のない範囲で、分かりやすくご説明しながら行いますので、誰でも簡単に正しい身体の使い方を習得できます。
再発を防げ、ずっと健康に
不調には波が存在します。「昨日は大丈夫だったけど今日は辛い」「さっきまで大丈夫だったのに、また急に出てきた」「今週は本当にしんどい」など、症状の波があります。
症状が出る要因は様々ですが、ストレスや疲労が一定以上蓄積されると症状が出現するというのが自律神経の不調の特徴です。つまり、仕事や家事で疲れた時は症状が出やすくなるし、ストレスを感じたり、嫌なことがあれば症状が出てくるという事です。
そして、一度症状が出現すると、症状が出現するボーダーライン(閾値)が下がってしまうのが問題です。
鍼灸施術はそれらのボーダーライン(閾値)を上げることができ、再発しない身体づくりが可能です。
当院での坐骨神経痛の改善例
当院の施術は根本的に改善していく事が可能

当院では「身体的なストレス」と「心理的なストレス」両方からアプローチしていきます。
自律神経と痛みに特化した鍼灸整体院として豊富な知識と技術を兼ね備えており、病院やマッサージ、整体など、どこに行っても治らない不調を抱えている人が全国各地から数多くご来院し、改善しております。
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