腰痛の原因と鍼灸での治し方を解説
「病院で原因不明と言われたけど具体的な治療法が無くて困っている」「日に日に症状が強くなり治るのか不安」など、腰痛の症状が辛くてお困りの方へ。
今回は腰痛がなぜ起こるのか、メカニズムから鍼灸での治し方まで徹底的に解説していきます。
腰痛の主な症状には、次のようなものがあります。
- 朝起きた時に腰が痛い
- 夕方になると腰が痛くなる
- 中腰になるのが辛い
- 腰に筋肉痛の様な痛みがある
- 常に重だるく鈍い痛みがある
- 筋肉が張っている様な痛みがある
- 歩行時や足を上げると腰が痛い
上記のような症状がある方は慢性的な腰痛かもしれません。
その原因や適切な対処法、注意点、治す為のポイントを解説していきます。
腰痛を薬に頼らず治すのが当院の鍼灸施術

心身の状態を健康な元の状態に元すのが鍼灸施術の真髄です。薬物療法に頼らず、根本的に体質を改善し、不安が生じにくい身体づくりが可能です。
病院では原因不明と言われている疾患の患者様が全国各地からご来院し、改善している実績が豊富にございます。
誰もが悩む腰痛の正体

腰痛は病院の検査で異常が見られない場合(非特異的腰痛)と、骨や内臓に問題があり病院の検査で引っかかる場合(特異的腰痛)の大きく分けて2種類あります。
骨や内臓に問題がある場合は病院で適切な治療を受ける必要がありますが、多くの場合(約85%)は非特異的腰痛になります。
そして、病院の検査では異常が見られない非特異的腰痛が鍼灸や整体の施術適応になります。
特異的腰痛
- 腰に腫瘍(脊椎腫瘍、脊髄腫瘍、馬尾腫瘍など)
- 脊椎感染症(化膿性脊椎炎、脊椎カリエスなど)
- 外傷(腰椎骨折、脱臼など)
- 変形性股関節症など整形外科の病気
- 尿路結石など泌尿器の病気
- 子宮内膜症など婦人科の病気
- 胆嚢、十二指腸、膵臓など消化器の病気
- 解離性大動脈瘤など血管の病気 など
非特異的腰痛
- 筋筋膜性腰痛(筋肉由来)
- 椎間関節性腰痛(関節に負荷が生じている)
- 神経障害による腰痛
- 生理痛
- ぎっくり腰 など
慢性的な痛みは病院では治らない

どこが痛みの原因なのか特定しきれないのが「非特異的腰痛」です。いわゆる腰痛症と呼ばれるものはこれにあたります。
病院の検査等では異常が見られない為、痛み止めやシップなどの対処療法が主な治療法になります。
検査で見つけた異常に対して治療をするのが病院での治療になりますので、異常が見られない非特異的腰痛は病院では治せません。
腰痛の原因とメカニズム

腰痛を発症する原因は様々ですが、痛みが起こる原因は筋肉と関節に何かしらの不具合が生じることで腰痛は出てきます。
筋肉由来の腰痛を筋筋膜性腰痛と言い、関節由来の腰痛の場合は椎間関節性腰痛と言います。
どちらの腰痛に対しても鍼灸や整体は有効で、当院にも数多くの方がご来院されています。
腰痛の原因は腰にはない

腰痛の多くの場合は腰に原因がありません。身体の状態の結果であって、原因は他にあります。
人体の関節にはスタビリティ関節(固定性の関節)とモビリティ関節(可動性の関節)の2種類が存在しており、両者は必ず隣り合っています。そうする事で、効率よく正しく関節を動かすことが可能になります。
例えば、足関節はモビリティ関節で、様々な方向に動くようになっていますが、すぐ上にある膝関節は屈曲伸展と少しの回旋動作しか行えません。手関節と肘関節も同じような仕組みになっています。
そのような固定性と可動性のバランスが崩れた時に関節や筋肉に負荷が生じ腰痛を発症します。
腰椎は本来動かない
足や腕以外にも脊柱も同様です。頸椎は頸椎は固定性、胸椎は可動性、腰椎は固定性、股関節は可動性となっています。
頸椎が固定というイメージな無いかもしれませんが、関節ごとの可動域を調べるとほとんど動いていません。実際に動いているのは胸椎と頸椎の一部の関節だけがとても動いています。
腰椎も同様で、関節の可動域は狭く、ほとんど動きません。腰が動いたり、回っているように見えますが、実際は胸椎が動いており、腰は動いていません。
胸椎と股関節が動かないことが本当の原因

つまり、胸椎と股関節が正しい可動域で動いてくれないと、足りない分の可動域を腰椎が代償して動くことになります。
本来であれば、腰椎は固定性の関節なので、骨や関節の結合が頑丈にされていますが、可動域を越える運動を求められると関節や筋肉に負荷が生じ痛みを感じるという仕組みになります。
つまり、腰への負担を減らすには胸椎と股関節の柔軟性を向上させる必要があります。
前屈動作が分かりやすい
腰痛が発症しやすい姿勢に前屈や中腰の姿勢がありますが、それらの動作は腰だけが曲がっているのではなく、背中や股関節も同様に屈曲しています。
そして、先ほど説明した人体の構造的な関節の可動域の話を踏まえると、本来、前屈の動作の時も腰は曲がらず、背中と股関節を曲げることでその動作を完了する必要があります。ですが、胸椎と股関節の柔軟性が低下していることで、腰に負荷が生じているというのが腰痛のほとんどの原因です。
とはいえ腰の筋肉も緊張している

では、腰は施術せず、背中と股関節だけ施術するのかというとそうではありません。
腰痛として痛みが出ているという事は、少なからず患部の血流循環が低下し、痛みの原因物質が留まっている可能性があります。
そして、必要以上の可動域を求められていた関節なので、筋肉にも負荷が生じ、緊張しているはずです。なので、患部の血流循環を改善するのと、背中と股関節の柔軟性を向上させる施術の両方を行う必要があります。
深部の多裂筋にアプローチするのが重要

特に緊張しやすい腰の筋肉が多裂筋という筋肉で、脊柱の関節のすぐ近くに存在しているため、非常に深部の筋肉になります。
脊柱の安定や側屈、伸展、回旋などの動作に関わり、胸腰筋膜という背中を覆う膜と連動し、腹横筋とも繋がています。
つまり、本来重い物を持ちあげる時に腹圧を高めたり、腰を安定させるときに多裂筋は働きますが、筋肉の萎縮や緊張などにより上手く働かないと腰の安定性が低下し、痛みを引き起こします。
そして、腰部の多裂筋は分厚く深さがある為、表面的なマッサージや整体では到底届きません。
鍼灸にしかできないアプローチ

深部の筋肉に直接アプローチ出来るのは鍼灸だけです。
常に引き伸ばされて緊張している多裂筋に対して鍼灸施術をすることで患部の血流を促進し、緊張を緩和していきます。
他にも鍼に通電するパルス療法を使用し、筋肉を収縮させることで筋肉の再教育や脳への認知機能を高めます。そうする事によって患部の緊張が緩和し、正しく多裂筋が使用できるようになるという事です。
背部と股関節の緊張を解消する

モビリティ関節の胸椎と股関節は柔軟性を向上させる必要があります。
その為にはストレッチもそうですが、関節に近い深部の細かい筋肉はなかなかストレッチをするのも難しくなってきます。そのような筋肉に対して鍼灸施術をすることで筋肉の緊張が緩和し、同時にストレッチや関節の動きをつけるリリースを行う事で、関節の可動域が向上します。当院の施術ではそれらを同時に行う事で、可動域が広がりその場で症状がラクになることを実感できます。
腰椎の安定性を向上させる腹横筋

先ほど説明した多裂筋と深いつながりがあるのが腹横筋です。腹横筋は腰からお腹までを覆うように付着しているコルセットのような筋肉で、体幹の後ろは多裂筋が、前や横は腹横筋が働くことによって、腰椎が安定し正しい動作が可能になります。
腰痛を発症している多くの方が、腹横筋を正しく使えていない事で腹圧が抜け、腰椎に負荷が生じ痛みが出ています。腹横筋を正しく働かせる為のトレーニングが必要です。
腹横筋のトレーニング
①ドローイン

仰向けで下腹部を凹ませた状態で大きく深呼吸を1分間行います。
常に腹部を凹ませ、呼吸の際はお腹ではなく胸を膨らませるように意識しましょう。
※お腹を凹ませる際は全体的に力を入れるのではなく、臍の下の下腹部を凹ませるように意識しましょう。
②背伸び

坐位で頭の上で手を組み背伸びをしましょう。
先ほどのドローイン同様、下腹部は常に凹ませた状態で息を吸う際に上方向に伸びをします。
その際に腹部や背中、腰の筋肉を働かせ、筋肉の収縮を意識しましょう。
※手を組む向きは掌を合わせるようにして組みましょう。
③背伸びで前方に傾ける

②で行った動作を行いながら前方に体を倒します。約45度くらいの角度になれば十分です。
背中や腰の筋肉が収縮しているのを確認しながら行いましょう。
同様に下腹部は常に凹ました状態です。
※45度の角度が難しければもっと浅い角度で大丈夫です。背中から腰の収縮を感じられれば問題ありません。
まとめ
- ①背中と股関節の柔軟性を向上させる
- ②深部筋の血流改善
- ③腹横筋、多裂筋の筋力向上と正常化
他にも様々な方法のセルフケアがあり、ご来院時にお伝えしています。
鍼灸施術と合わせて行う事で再発を防ぎ、腰痛を感じない身体を目指すことができます。
痛みが慢性化する要因に自律神経が関係する

痛みが慢性化する要因の一つに自律神経の乱れががあります。心因性腰痛とも言いますが、自律神経の乱れが原因で痛みを作り出すという事が起きてきます。
ヒトはストレスを感じると交感神経が優位になり、末梢の血管が収縮します。それにより血流循環が悪くなり、痛みの原因物質が停滞し腰痛を発症します。
患部の施術だけでなく自律神経も整えることが重要です。
自律神経を乱すストレスを減らすことが重要

身体的なストレス
身体や脳の疲労、全身のコリや緊張を指します。
身体や脳に疲労が蓄積されることで、身体機能が低下したり、脳の神経回路が常に惰性で活動状態になるので、オンとオフの切り替えが上手くいかず、自律神経も乱れていきます。
鍼灸や整体、運動、ストレッチなどの日々のケアで緊張を解消する事が重要です。
心理的なストレス
日々マルチタスクに追われていたり、リフレッシュできる環境が無い場合や認知の歪みが起きている場合に心理的なストレスが蓄積されます。
認知とは、物事をどう認識するかという事で、それが歪んでいるとストレスを感じるという事です。
認知の歪み、白黒思考、完璧主義、べき思考などと言いますが、今まで生きてきた価値観が正しい、常識だと思い込み、それに当てはまらない事象が起こるとストレスを感じるという事が起きてきます。
認知を変えることで心理的なストレスの軽減に繋がりますので、認知療法や認知行動療法が重要になってきます。
環境的なストレス
生活習慣、職場環境、家庭環境、人間関係に由来するストレスです。不規則な生活習慣や、仕事が忙しく、睡眠時間の確保ができないなど、環境がもたらすストレスがコレにあたります。
目の前の課題、問題をどう解決していくか、感情に支配されず、論理的に物事を考える問題解決能力が必要となります。
「嫌われるかもしれないから話せない」「休みたいけど言えない」など本来解決しなければならない問題があるにも関わらず、感情に支配され、問題を先送りにしてしまい、ストレスが溜まり続けるという事が多く起こりますので、環境が大きなストレスになっている場合は、冷静に対処する必要があります。
腰痛に対する当院の施術

心身の緊張を取り除き脳の興奮を解消していく
当院の鍼灸施術は心地よく優しい刺激で行う事で副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせます。
脳や身体の過剰な緊張を取り除くことで自律神経の乱れを解消し、症状を治していきます。
施術中に眠ってしまうほどの優しい刺激ですので初めての方でも安心して受けられます。
深部の筋肉へのアプローチ
整体やマッサージでは届かない深部の筋肉へのアプローチは鍼灸施術が非常に有効です。
関節付近の細かな筋肉はストレッチなどでは対応できない場合が多いので、当院の鍼灸技術によって、その様な難しい部位へのアプローチが可能になります。
再発を防げ、ずっと健康に
不調には波が存在します。「昨日は大丈夫だったけど今日は辛い」「さっきまで大丈夫だったのに、また急に出てきた」「今週は本当にしんどい」など、症状の波があります。
症状が出る要因は様々ですが、ストレスや疲労が一定以上蓄積されると症状が出現するというのが腰痛の特徴でもあります。つまり、仕事や家事で疲れた時は症状が出やすくなるし、ストレスを感じたり、嫌なことがあれば症状が出てくるという事です。
そして、一度症状が出現すると、症状が出現するボーダーライン(閾値)が下がってしまうのが問題です。
鍼灸施術はそれらのボーダーライン(閾値)を上げることができ、再発しない身体づくりが可能です。
当院での腰痛の改善例
当院の施術は根本的に改善していく事が可能

当院では「身体的なストレス」と「心理的なストレス」両方からアプローチしていきます。
自律神経と痛みに特化した鍼灸整体院として豊富な知識と技術を兼ね備えており、病院やマッサージ、整体など、どこに行っても治らない不調を抱えている人が全国各地から数多くご来院し、改善しております。
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