睡眠障害(不眠症)の原因と鍼灸での治し方を解説
「病院で睡眠障害と言われたけど具体的な治療法が無くて困っている」「日に日に症状が強くなり治るのか不安」など、睡眠障害の症状が辛くてお困りの方へ。
今回は睡眠障害(不眠症)がなぜ起こるのか、メカニズムから鍼灸での治し方まで徹底的に解説していきます。
睡眠障害(不眠症)を薬に頼らず治すのが当院の鍼灸施術
心身の状態を健康な元の状態に元すのが鍼灸施術の真髄です。薬物療法に頼らず、根本的に体質を改善し、不安が生じにくい身体づくりが可能です。
病院では原因不明と言われている疾患の患者様が全国各地からご来院し、改善している実績が豊富にございます。
【睡眠障害(不眠症)の原因】自律神経失調症を解説
睡眠障害(不眠症)の主な症状には、次のようなものがあります。
- 布団に入ってもなかなか寝付けない
- 夜中に何度も起きてしまう
- 朝方に早く目が覚めてしまう
- 眠れるか不安になる
- 日中に眠気が常にある
- 朝起きた時に倦怠感が強い
- 眠気が来ないので眠れない
上記のような症状がある方は睡眠障害(不眠症)かもしれません。
その原因や適切な対処法、注意点、治す為のポイントを解説していきます。
睡眠障害の正体
睡眠障害とは、睡眠に何らかの問題があり、日中の活動に支障をきたしたり、心身の健康に影響したりする状態を指します。
睡眠障害には、不眠症、過眠症、睡眠時随伴症など、さまざまな種類があります。
なので、夜に眠れないというのは睡眠障害の中の不眠症に該当します。
睡眠障害(不眠症)の主な症状
睡眠障害(不眠症)の主な症状です。
- 寝つきが悪い(入眠困難)
- 途中で目が覚める(中途覚醒)
- 早朝に目が覚めて二度寝ができない(早朝覚醒)
- 眠りが浅い
- 疲れやすさがある
- 気持ちが落ち込んでいる
- エネルギー水準の低下
- 些細な刺激に敏感
- 物忘れがある
- イライラする感じがある
睡眠障害(不眠症)になる原因
睡眠障害になる原因は大きく以下の3つに分けられます。
生物的な要因
遺伝や性差によるバイタリティの差、疲労やストレスの蓄積、筋肉のこわばりや緊張、夜中の頻尿、皮膚病による痒み、更年期のホルモンバランスの変化など、身体の機能や構造に関わる理由から睡眠障害(不眠症)になります。
心理的な要因
不安、恐怖、怒りなどの感情、大きなストレス、人間関係の悩みやイライラなどの心理的な興奮や緊張がある事で、脳が過剰に興奮し睡眠障害を引き起こします。
社会的な要因
不規則な生活習慣、仕事の影響による就寝、起床時間の乱れ、カフェインの過剰摂取などの食生活の乱れ、家事育児、介護などの社会的(環境的)な影響で睡眠習慣が乱れ睡眠障害を引き起こします。
睡眠障害(不眠症)のメカニズム
脳の過剰興奮による自律神経の乱れが睡眠障害の正体です。
自律神経の交感神経が働きすぎており、副交感神経が働いていない事で心身がリラックスできずに眠れないという事が起きてきます。
不眠症を治す為には心身の緊張の緩和というのが重要になります。
眠れないという不安が脳を緊張させる
睡眠障害が治りにくい理由として「睡眠への苦手意識」というものがあります。
眠れるか不安になることで、交感神経を優位にし心身が興奮し眠りを妨げてしまいます。
眠れたという成功体験を積むことで睡眠に対して自信がつき、睡眠に対しての不安が解消されます。
鶏か卵かの話ではないですが、その様な状況がある為、不眠症を治す事が難しいと言われています。
病院では対処療法として薬が処方される
病院での治療は薬物療法が中心になります。睡眠薬や抗うつ薬、抗不安薬などが処方されますが、どれも対処療法となります。
薬で症状を抑えても、根本の原因のストレスや、自律神経の機能が改善する訳ではないので、薬の服用を止めてしまえば元の状態に戻ることがほとんどです。
服用する際に注意すべき薬
睡眠薬には様々な種類がありますが、中でも服用する際に注意が必要な薬があります。
大前提、薬を飲んでも根本的な解決にはなりません。
ですが、不安障害やうつなど不眠症以外の自律神経症状が出ている場合は薬の効果で眠りを促し、一時的に症状を落ち着ける目的で処方されます。
病院によっては無作為にいきなりに作用の強い薬を処方する事もあるので、しっかり薬の効果を理解した上で服用する事が望ましいです。
ベンゾジアゼピン系の薬は注意が必要
中でも作用が強く、依存性や離脱症状のリスクがある薬がベンゾジアゼピン系の薬になります。
睡眠薬や抗てんかん薬、抗不安薬として用いられる薬のカテゴリーになります。
脳内の神経伝達物質を調整し、強制的に脳の機能を低下させる作用があります。パソコンで言うと急にシャットアウトしてしまうようなものです。少しずつデータやタブを消去していき電源を切るのではなく、強制的に電源を切るので、様々な副作用を伴います。
筋肉が弛緩するのでふらつきや震え、脱力、物忘れなどの作用と薬への依存性も高いので断薬する際に離脱症状が出現するリスクもあります。
睡眠障害(不眠症)を鍼灸で治す為に重要なポイント
不眠症を鍼灸で治す為に必要なポイントは
「脳の緊張、興奮を取り除く」
「首と背中の緊張を取り副交感神経を優位に」
以上の2点です。
脳の緊張、興奮を取り除く
不眠症になる原因の一つにストレスがあります。ストレスは交感神経を優位にし、心身の緊張を高めます。不安やストレスに対して脳が過剰に興奮し、敏感に反応している状態です。
まずはその過剰な脳の興奮状態を解消する事が重要です。
鍼灸は副交感神経を優位にし、脳の興奮を鎮める
手足の鍼灸刺激は、脳に直接作用し、副交感神経を優位にする働きがあります。
不安やストレスで常に緊張状態の脳をリラックスさせ、自律神経のリズムを正常に戻すことが可能です。
首と背中の緊張を取り副交感神経を優位に
心身の興奮や緊張は首と背中に現れます。中でも緊張が出やすいのが僧帽筋です。
「緊張して肩に力が入る」という言葉の通り、肩に力が入る時に収縮する筋肉です。
脳や自律神経の乱れがある方はこのような特徴的な筋肉のねじれを呈する時があります。
鍼灸により副交感神経を優位にしリラックスさせることで、このような緊張も取れてきます
固有背筋が施術のポイント
固有背筋という背中の筋肉があり、これらは自律神経の交感神経線維と密接に関わっています。
交感神経と固有背筋を支配している神経は吻合し(合わさり)脊髄へと入力されていきます。
つまり、交感神経が支配している内臓の感覚や運動と固有背筋の感覚や運動が同調(シンクロ)するという事です。固有背筋が収縮し続ける状態(コリ)があると交感神経も興奮を続けるという
自然な眠りを促すためには
自然な眠りを引き起こす為には、ヒトが本来持っている機能を正常に整える事が重要です。
薬物療法による治療は根本的な改善ではなく、依存や離脱症状などのリスクもあります。
ヒトに備わっている睡眠に関わる重要なホルモンの機能を改善する事で、自然な眠りを促すことが可能です。
オレキシン
オレキシンは、脳の視床下部に存在すホルモンで、睡眠や覚醒、食欲、体内リズムなどに関わる物質です。オレキシンが正常に働くことで、日中の覚醒状態を維持できます。
ですが、オレキシンが過剰に分泌されると眠気が引き起こされず、不眠症に繋がります。
又、食欲を増進させる作用もあります。そのため過剰に分泌されると食欲が増進され肥満リスクが向上します。深夜に夜食が食べたくなるのは、オレキシンが分泌されることにより覚醒度合いと食欲が増しているのが要因になっているという事です。
セロトニン
セロトニンは、脳内の神経伝達物質で、精神の安定や心身の健康に大きく関わる物質です。
夜になるとメラトニンというホルモンに変換され、自然な眠りを誘います。
セロトニンが不足すると、抑うつ状態や不安障害になりやすくなり、これらは不眠や過眠などの睡眠の問題の原因にもなります。
身体に負担の少ない睡眠薬
前述したようにオレキシンとセロトニンがヒトに備わっている自然な眠りを促すホルモンですので、それらの機能を整える睡眠薬が副作用が少ないと言われています。
具体的に言うと以下の2点です。
- メラトニン受容体作動薬:ロゼレム・メラトベル
- オレキシン受容体拮抗薬:ベルソムラ・デエビゴ
オレキシンとセロトニンの機能を整えるには
不眠症を改善する上で様々な方法がありますが、オレキシンとセロトニンに絞って解説すると以下の4点が重要になります。
体内時計を整える
就寝時間と起床時間をいつも同じ時間にすることで、体内のホルモン消費のリズムも整います。
起床時間が1時間ズレるだけで体内時計が乱れますので、休日でもなるべく同じ時間に起床し、一定のリズムを保つようにしましょう。
日中にしっかり活動する
日中に沢山活動する事で覚醒ホルモンのオレキシンが消費されます。それにより寝る時に過剰に分泌されるという事が無くなりますので、自然な眠気を引き起こせます。
日中に長時間の昼寝をしてしまうとオレキシンが消費されずに夜に余分に余ってしまうので眠くないという事が起きてきます。もし昼寝をするとしたら20~30分がベストと言われています。
ストレスを減らす
ストレスがあると眠れなくなるのは決して気のせいではありません。ストレスを感じると視床下部からCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)というホルモンが分泌され、オレキシンも活発に作られるようになります。
つまりストレスを受けると脳が覚醒してしまうという事です。趣味や娯楽を活用しながら上手くストレスを解消していきましょう。
鍼灸施術を受ける
鍼灸施術にはセロトニンの分泌を促す効果があります。肌への微細な鍼刺激がセロトニンの分泌を促し、副交感神経を優位にしリラックスさせてくれます。
心身をリラックスさせ、痛みに強い体を作ることができるのが鍼灸の効果のひとつです。
ノンレム睡眠の比率を増やすのがカギ
眠れたとしての睡眠の質が良くなければ意味がありません。
脳や体が回復するのに重要なのはノンレム睡眠です。レム睡眠は浅い睡眠で脳が覚醒している状態で、ノンレム睡眠は深い睡眠で脳が休まっている状態です。
夢を多く見る、中途覚醒が多い、起床時に疲労感を感じやすいなどの症状がある人は、レム睡眠の比率が高いのかもしれません。
入眠直後の3時間が重要
レム睡眠とノンレム睡眠は90分1サイクルを交互に繰り返しているのですが、入眠直後の2サイクル、つまり3時間が非常に重要です。
その時間のノンレム睡眠が一番深い眠りにつきやすい為、その3時間に中途覚醒なく眠り続けることができれば、まず大丈夫です。その後は自然と眠りが浅くなってきてしまうので、中途覚醒は起きやすくなります。最初の3時間をしっかり眠れるように睡眠環境を整えていきましょう。
不眠症を治す為に改善すべきストレスの種類
身体的なストレス
身体や脳の疲労、全身のコリ、遺伝や性別によるバイタリティの差などを指します。
身体や脳に疲労が蓄積されることで、身体機能が低下したり、脳の神経回路が常時、惰性で活動状態になるので、オンとオフの切り替えが上手くいかず、自律神経も乱れていきます。
男性と女性では筋肉量や脳の作りが違うので、できる仕事も違いますし、疲れやすさも人によって変わってきます。
心理的なストレス
心理的なストレスが原因の場合です。日々マルチタスクに追われていたり、リフレッシュできる環境が無い場合や認知の歪みが起きている場合に心理的なストレスが蓄積されます。
認知とは、物事をどう認識するかという事で、それが歪んでいるとストレスを感じるという事です。
よくある例えですが、コップに半分まで水が入っているのを見て、「半分しか水が入っていない」とネガティブに捉えるか、「半分も水が入っている」とポジティブに捉えるかで気持ちは変わります。
つまり、現実で起きている事実は同じでも、捉え方によってストレスの感じ方が変わるという事です。
認知の歪み、白黒思考、完璧主義、べき思考などと言いますが、今まで生きてきた価値観が正しい、常識だと思い込み、それに当てはまらない事象が起こるとストレスを感じるという事が起きてきます。
「〇〇して当たり前」「〇〇はすべきだ」「必ず〇〇でなければならない」など、その人特有の考え方のクセがあると、それが原因でストレスを感じ、不調に陥るという事が多くあります。
環境的なストレス
生活習慣、職場環境、家庭環境、人間関係に由来するストレスです。不規則な生活習慣や、仕事が忙しく、睡眠時間の確保ができないなど、環境がもたらすストレスがコレにあたります。
目の前の課題、問題をどう解決していくか、というのが大切になってきます。感情に支配されず、論理的に物事を考える問題解決能力が必要となります。
「嫌われるかもしれないから話せない」「休みたいけど言えない」など本来解決しなければならない問題があるにも関わらず、感情に支配され、問題を先送りにしてしまい、ストレスが溜まり続けるという事が多く起こります。
不眠症を治すうえで注意すべきポイント
薬の効果効能・副作用・離脱症状を理解した上で適切に服用する
前述したように睡眠薬と言われている薬の種類も様々です。自分の症状に合った薬を正しく服用する事が大切です。病院で処方された薬をすぐに服用するのではなく、効果効能を調べたうえで服用しましょう。服用期間や今後の減薬、断薬の流れなどをお医者さんと相談しながら進めていく事が重要です。
不安のコントロールを
不安が強まることで脳が興奮し入眠を妨げます。睡眠に対する不安や日々のストレスを軽減する為には認知療法や認知行動療法を行うのが効果的です。
「明日は仕事だから必ず寝ないければならない」と言った極端な考え方が不安を増強させ不眠を悪循環に陥らせますので、感情に支配されず問題を解決する事が重要です。
瞑想などのリラックスするセルフケアを
ぐるぐる思考や考えすぎてしまう状態を解消するには瞑想が効果的です。自分の呼吸に意識を集中させ、それ以外のことを考えないようにしていきます。ゆったりとした呼吸をすることで副交感神経を優位にし、理性を働かせる事が可能になります。
不眠症に対する当院の施術
心身の緊張を取り除き脳の興奮を解消していく
当院の鍼灸施術は心地よく優しい刺激で行う事で副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせます。
脳や身体の過剰な緊張を取り除くことで自律神経の乱れを解消し、症状を治していきます。
施術中に眠ってしまうほどの優しい刺激ですので初めての方でも安心して受けられます。
カウンセリングでストレスや不安を感じにくい考え方を
当院のカウンセリング鍼灸整体施術では、先ほど説明した様な「認知の歪み」を修正していきます。
身体の状態しか見ない施術院が多いですが、不調が出る原因は身体だけではありません。
心理や環境にも目を向けて修正していく事が完治への最短ルートになります。
当院のカウンセリング鍼灸整体施術に関して↓
再発を防げ、ずっと健康に
不調には波が存在します。「昨日は大丈夫だったけど今日は辛い」「さっきまで大丈夫だったのに、また急に出てきた」「今週は本当にしんどい」など、症状の波があります。
症状が出る要因は様々ですが、ストレスや疲労が一定以上蓄積されると症状が出現するというのが自律神経の不調の特徴です。つまり、仕事や家事で疲れた時は症状が出やすくなるし、ストレスを感じたり、嫌なことがあれば症状が出てくるという事です。
そして、一度症状が出現すると、症状が出現するボーダーライン(閾値)が下がってしまうのが問題です。
鍼灸施術はそれらのボーダーライン(閾値)を上げることができ、再発しない身体づくりが可能です。
当院での睡眠障害(不眠症)の改善例
当院の施術は根本的に改善していく事が可能
当院では「身体的なストレス」と「心理的なストレス」両方からアプローチしていきます。
自律神経と痛みに特化した鍼灸整体院として豊富な知識と技術を兼ね備えており、病院やマッサージ、整体など、どこに行っても治らない不調を抱えている人が全国各地から数多くご来院し、改善しております。
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