過敏性腸症候群の原因と鍼灸での治し方を解説
「病院で過敏性腸症候群と言われたけど具体的な治療法が無くて困っている」「日に日に症状が強くなり治るのか不安」など、過敏性腸症候群の症状が辛くてお困りの方へ。
今回は過敏性腸症候群がなぜ起こるのか、メカニズムから鍼灸での治し方まで徹底的に解説していきます。
過敏性腸症候群を薬に頼らず治すのが当院の鍼灸施術
心身の状態を健康な元の状態に元すのが鍼灸施術の真髄です。薬物療法に頼らず、根本的に体質を改善し、不安が生じにくい身体づくりが可能です。
病院では原因不明と言われている疾患の患者様が全国各地からご来院し、改善している実績が豊富にございます。
【過敏性腸症候群の原因】自律神経失調症を解説
過敏性腸症候群の主な症状には、次のようなものがあります。
- 平日だけ下痢や便秘が起こる
- 1日に何度もトイレに行く
- 水のような便、粘液のある便
- 腹痛、腹部膨満感
- 繰り返す便秘
- 便が出にくい
- 水分のないコロコロとした便
- 朝起きた時や電車の中になるとお腹が痛くなる
- 便秘と下痢を繰り返す
- ストレスを感じるとおなかの状態が不安定になる
上記のような症状がある方は過敏性腸症候群かもしれません。
その原因や適切な対処法、注意点、治す為のポイントを解説していきます。
過敏性腸症候群の正体
過敏性腸症候群とは、消化器の疾患がないにも関わらず、腹痛や便秘、下痢を慢性的に繰り返す病気です。
腸管が過活動を起こし、食物やストレスなどの刺激に対して過敏になることで引き起こされると考えられています。
主な原因は、ストレス、不安、抑うつなどの心理的要因や自律神経の機能障害とされています。
社会の複雑化やストレスの増加に伴い、症状に悩む人が増えている症状です。
過敏性腸症候群の主な症状
過敏性腸症候群は以下の4つの型に分類されます。
下痢型
- 急に便意をもよおす
- 激しい下痢症状
- 1日に何度もトイレに行く
- 水のような便、粘液のある便
便秘型
- 腹痛、腹部膨満感
- 繰り返す便秘
- 便が出にくい
- 水分のないコロコロとした便
混合型
- 便秘と下痢を繰り返す
- ストレスを感じるとおなかの状態が不安定になる
分類不能型
- 上記3つに分類されない症状
- おならが頻繁にでる、膨満感がある場合は「ガス型」と呼ばれる
過敏性腸症候群になる原因
心身のストレスや暴飲暴食、過度の飲酒、不規則な生活習慣などで消化器関わる神経に負荷が生じ、過敏になることが原因とされています。
特に食生活の乱れは、過敏性腸症候群と強い相関関係がありますので、適切な食事と規則正しい生活習慣を行うことが重要になってきます。
過敏性腸症候群のメカニズム
腸の動きは全て自律神経が支配しており、自律神経の機能が上手く働かないと、過敏性腸症候群として以下のような状態に陥ります。
下痢型
腸に食物が無いにもかかわらず、過剰に腸の蠕動運動が行われ、消化不良のまま食物が排便されている状態です。他にも「お腹が痛くなるかもしれない」という不安がストレスになり、胃腸が敏感に反応して下痢をしてしまうという事もあります。
便秘型
逆に腸の動きが鈍くなり、便を通過させるために必要な蠕動運動が低下し、便を押し出す力が弱くなるのが特徴です。一般的に女性に便秘型が多い理由は、はっきりと分かっていませんが、生理周期などホルモンが関わっているのではないかと考えられています。
混合型
下痢型と便秘型の状態が不規則に繰り返される状態です。
脳の緊張が腸を緊張させる
脳腸相関という言葉があります。
脳と腸は互いに影響し合うという事ですが、不安や緊張などで脳の偏桃体という部位が興奮すると、近くの視床下部という自律神経の中枢に作用し、胃腸の蠕動運動のリズムを乱します。
その結果、下痢や便秘などの症状が出てきます。
つまり、不安や緊張などの心理的なストレスが直接反映されやすいのが胃腸で、それらの関係性を脳腸相関というのです。
逆に胃腸の状態が良いと脳の緊張も取れる
相互に作用するという事は、胃腸の状態も脳に影響を及ぼします。
「腸活」という言葉があるように、腸の状態を健康に保っていると、その情報が脳に伝わり、他の臓器を支配している自律神経の状態も正常なリズムに戻してくれます。
遺伝子からヒトへ発達する段階で、脳と腸が初期に出来上がる事が知られており、その影響から互いの関連性が深くなったとも言われています。
病院では対処療法として薬が処方される
病院での治療は薬物療法が中心になります。整腸剤や抗うつ薬、抗不安薬などが処方されますが、どれも対処療法となります。
薬で症状を抑えても、根本の原因のストレスや、自律神経の機能が改善する訳ではないので、薬の服用を止めてしまえば元の状態に戻ることがほとんどです。
過敏性腸症候群を治す為に重要なポイント
先程、めまいの原因をいくつかご紹介しましたが、めまいを治す為に必要なポイントは
「脳の緊張、興奮を取り除く」
「胃腸の血流循環を促し、蠕動運動のリズムを正常化する」
「背部と腹部の緊張をとり副交感神経を優位に」
以上の3点です。
脳の緊張、興奮を取り除く
過敏性腸症候群になる原因の一つにストレスがあります。ストレスは交感神経を優位にし、心身の緊張を高めます。不安やストレスに対して脳が過剰に興奮し、敏感に反応している状態です。
まずはその過剰な脳の興奮状態を解消する事が重要です。
鍼灸は副交感神経を優位にし、脳の興奮を鎮める
手足の鍼灸刺激は、脳に直接作用し、副交感神経を優位にする働きがあります。
不安やストレスで常に緊張状態の脳をリラックスさせ、自律神経のリズムを正常に戻すことが可能です。
胃腸の血流循環を促し、蠕動運動のリズムを正常化する
脳が緊張しているように、胃腸も過緊張を起こしています。
消化する為の蠕動運動が働きすぎる事による疲労、蠕動運動が働かない事による緊張、それらを繰り返しているのが過敏性腸症候群ですので、消化器の毛細血管を拡張させ、血流を促進し、緊張や疲労を解消していきます。
それを繰り返していく事で、蠕動運動のリズムが正常に戻り、症状が無くなっていきます。
内臓の血流は足元が重要
内臓に繋がる血管は足にも繋がります。特に静脈は動脈とは違い、血圧が低い為血液が停滞しやすく、血流循環が悪くなりやすいです。
その為、足の静脈の走行に沿って鍼灸施術をすることで、静脈やリンパの循環が改善され、胃腸の血液循環も改善されます。それが胃腸に関わるツボが足に多い理由の一つです。
背部と腹部の緊張をとり副交感神経を優位に
内臓の緊張や機能障害は腹部や背部の状態に現れます。内臓体性反射と言い、内臓の状態が体性(皮膚や筋肉)に現れるという意味です。胃腸の機能障害がある方の場合ですと、背部や腹部に緊張が見られますので、それらの緊張を取ることで、胃腸の状態を正常に戻していきます。
固有背筋が施術のポイント
固有背筋という背中の筋肉があり、これらは自律神経の交感神経線維と密接に関わっています。
交感神経と固有背筋を支配している神経は吻合し(合わさり)脊髄へと入力されていきます。
つまり、交感神経が支配している内臓の感覚や運動と固有背筋の感覚や運動が同調(シンクロ)するという事です。固有背筋が収縮し続ける状態(コリ)があると交感神経も興奮を続けるという事です。
脳が過剰に興奮する原因
身体的なストレス
身体や脳の疲労、全身のコリ、遺伝や性別によるバイタリティの差などを指します。
身体や脳に疲労が蓄積されることで、身体機能が低下したり、脳の神経回路が常時、惰性で活動状態になるので、オンとオフの切り替えが上手くいかず、自律神経も乱れていきます。
男性と女性では筋肉量や脳の作りが違うので、できる仕事も違いますし、疲れやすさも人によって変わってきます。
心理的なストレス
心理的なストレスが原因の場合です。日々マルチタスクに追われていたり、リフレッシュできる環境が無い場合や認知の歪みが起きている場合に心理的なストレスが蓄積されます。
認知とは、物事をどう認識するかという事で、それが歪んでいるとストレスを感じるという事です。
よくある例えですが、コップに半分まで水が入っているのを見て、「半分しか水が入っていない」とネガティブに捉えるか、「半分も水が入っている」とポジティブに捉えるかで気持ちは変わります。
つまり、現実で起きている事実は同じでも、捉え方によってストレスの感じ方が変わるという事です。
認知の歪み、白黒思考、完璧主義、べき思考などと言いますが、今まで生きてきた価値観が正しい、常識だと思い込み、それに当てはまらない事象が起こるとストレスを感じるという事が起きてきます。
「〇〇して当たり前」「〇〇はすべきだ」「必ず〇〇でなければならない」など、その人特有の考え方のクセがあると、それが原因でストレスを感じ、不調に陥るという事が多くあります。
環境的なストレス
生活習慣、職場環境、家庭環境、人間関係に由来するストレスです。不規則な生活習慣や、仕事が忙しく、睡眠時間の確保ができないなど、環境がもたらすストレスがコレにあたります。
目の前の課題、問題をどう解決していくか、というのが大切になってきます。感情に支配されず、論理的に物事を考える問題解決能力が必要となります。
「嫌われるかもしれないから話せない」「休みたいけど言えない」など本来解決しなければならない問題があるにも関わらず、感情に支配され、問題を先送りにしてしまい、ストレスが溜まり続けるという事が多く起こります。
過敏性腸症候群を治すうえで注意すべきポイント
規則正しい食生活に
食生活の乱れも過敏性腸症候群の症状を悪化させる要因になります。脂質の多い食事や辛い食べ物、アルコールなどは消化不良を引き起こす要因となります。
他にも食事を摂取する時間帯などが不規則になる事でも、胃腸の消化のリズムが乱れます。規則正しいリズムと適切な食事量を心がけましょう。
不安のコントロールを
「もしかしたらお腹が痛くなるかもしれない」という不安が症状を引き起こす要因になります。
お腹が痛くなっても電車を降りてトイレに行けば問題ありません。ですが「仕事に遅れてはならない」など様々な「〇〇しなければならない」という極端な思考が不安を作り出す要因になっています。
冷静に対処法を考えていく事が重要です。
腹部と足元を冷やさない
内臓の冷え(血流循環の低下)が胃腸の機能障害を引き起こします。腹部を温めるのはもちろん、足を温める事によって、内臓の血流がアップする事が知られています。
特に内側が冷えると内臓に影響しやすいので、内ももや内くるぶしの周囲を温めるのが大切です。
過敏性腸症候群に対する当院の施術
体がリラックスし痛みに強い体が作れる
脳や自律神経の緊張が出現しやすい部位や体の兆候は決まっています。
呼吸の深さ、手足の温度、手足の汗のかきかた、脈の速さや強さ、頸部や背部の状態など様々ですが、中でも緊張が出やすいのが僧帽筋です。
「緊張して肩に力が入る」という言葉の通り、肩に力が入る時に収縮する筋肉です。
脳や自律神経の乱れがある方はこのような特徴的な筋肉のねじれを呈する時があります。
鍼灸により副交感神経を優位にしリラックスさせることで、このような緊張も取れてきます。
他にも下行性痛覚抑制系に作用する事で痛みが伝わるのをブロックし、鎮痛効果をもたらします。
つまり、鍼灸を行うことで「体がリラックスし痛みに強い体が作れる」という事になります。
交感神経を優位にしている身体的な要因を取り除く
固有背筋という背中の筋肉があります。これは抗重力筋と言い、上体を起こしている時に働く筋肉で、前述した姿勢反射に大きく関わります。よって凝りやすい筋肉なのですが、これらは交感神経線維と密接に関わっています。
交感神経というのは脊柱の横を首から腰まで通っているのですが、それらの交感神経と固有背筋を支配している神経は吻合し(合わさり)脊髄へと入力されていきます。つまり、交感神経が支配している内臓の感覚や運動と固有背筋の感覚や運動が同調(シンクロ)するという事です。
固有背筋が収縮し続ける状態(コリ)があると交感神経も興奮を続けるという事です。
カウンセリングでストレスや不安を感じにくい考え方を
当院のカウンセリング鍼灸整体施術では、先ほど説明した様な「認知の歪み」を修正していきます。
身体の状態しか見ない施術院が多いですが、不調が出る原因は身体だけではありません。
心理や環境にも目を向けて修正していく事が完治への最短ルートになります。
当院のカウンセリング鍼灸整体施術に関して↓
症状を出にくくする事ができる
不調には波が存在します。「昨日は大丈夫だったけど今日は辛い」「さっきまで大丈夫だったのに、また急に出てきた」「今週は本当にしんどい」など、症状の波があります。
症状が出る要因は様々ですが、ストレスや疲労が一定以上蓄積されると症状が出現するというのが自律神経の不調の特徴です。つまり、仕事や家事で疲れた時は症状が出やすくなるし、ストレスを感じたり、嫌なことがあれば症状が出てくるという事です。
そして、一度症状が出現すると、症状が出現するボーダーライン(閾値)が下がってしまうのが問題です。
鍼灸施術はそれらのボーダーライン(閾値)を上げていく事ができます。
当院での過敏性腸症候群の改善例
当院の施術は根本的に改善していく事が可能
当院では「身体的なストレス」と「心理的なストレス」両方からアプローチしていきます。
自律神経と痛みに特化した鍼灸整体院として豊富な知識と技術を兼ね備えており、病院やマッサージ、整体など、どこに行っても治らない不調を抱えている人が全国各地から数多くご来院し、改善しております。
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