持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)の原因と鍼灸での治し方を解説
「病院でPPPDと言われたけど具体的な治療法が無くて困っている」「日に日に症状が強くなり治るのか不安」など、PPPDの症状が辛くてお困りの方へ。
今回は持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)がなぜ起こるのか、メカニズムから鍼灸での治し方まで徹底的に解説していきます。
PPPDを薬に頼らず治すのが当院の鍼灸施術
心身の状態を健康な元の状態に元すのが鍼灸施術の真髄です。薬物療法に頼らず、根本的に体質を改善し、不安の出にくい身体づくりが可能です。
病院では原因不明と言われている疾患の患者様が全国各地からご来院し、改善している実績が豊富にございます。
【PPPDの原因】自律神経失調症を解説
持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)の主な症状には、次のようなものがあります。
- 3ヶ月以上続く浮動感や不安定感
- 雲の上を歩いているようなふわふわ感や、地面が沈むようなふらつき感
- 首を横に振ると揺れる感じがする
- 立ったり歩いたりすると症状が悪化することがある
- スーパーの陳列棚を見ると揺れる
- スマホやパソコンをスクロールするめまいがする
- 耳の閉塞感や声が響く感じがする
- 頭痛、耳鳴り、吐き気、不安感などの症状が現れる
上記のような症状がある方は持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)かもしれません。
その原因や適切な対処法、注意点、治す為のポイントを解説していきます。
持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)とは
急なめまいを発症した後、急性期の症状は改善したのにも関わらず、雲の上を歩いている様なふわふわ感、ゆらゆら感が3か月以上ほぼ毎日続いている状態です。
3か月以上続くめまいを慢性めまいと言い、慢性めまいの中でPPPDは最も多いとされています。
なぜ起こるのか
平衡感覚は耳(内耳)と目(視覚)と体(足の裏や首などの体性感覚)からの3つの情報を小脳で統合することにより正しく認知できています。
PPPDは、先行するめまいが治った後も、目と体からの2つの情報伝達と統合が上手くいかない為に発症すると考えられています。
持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)の症状
3カ月以上続く浮動感、不安定感、非回転性めまいが主な症状です。
下記のタイミングで症状を自覚する事があります。
・立ったり歩いたりすること
・体を動かしたり、動かされたりすること
・エレベーター、エスカレーター、電車、バスへの乗車などに乗ること
・複雑な模様(色合いや凹凸)を見ること
・激しい動きのある映像を見ること(大型店舗の陳列棚、細かい書字、映画、スクロール画面など)
正しい身体の感覚ではなく、脳が予測して作り出している
メニエール病や良性発作性頭位めまい症などの強いめまいを経験すると、脳はめまいの情報を修正するように働きます。
急性期には内耳の影響で起きためまいを修正する為に、相対的に足や首、視覚の情報を調節し、平衡を保とうとします。
ですが、急性期のめまいが消失しても、めまいを予測し、調整し続けてしまう事で起こるとされています。
感覚の誤作動の代表例
長時間海にいると、海から上がった後も体が揺れている感じがするという経験はないでしょうか。
波がでるプールでも同様です。
揺れている環境が長いと、それに適応しようと脳が情報を処理します。
その結果、実際には揺れていないけど、揺れていると錯覚するようになってきます。
悪化するのが怖く、首や目を動かさなくなることによる弊害
首の緊張による姿勢反射障害
PPPDは頭部の位置や視線の変化によって症状が悪化する事があります。
その為、無意識のうちに頭や視線を動かさないように生活するようになってきます。
その結果、首に過度な筋緊張が生じ、姿勢反射の機能障害が起きやすくなります。
脳疲労の蓄積による情報処理能力の低下
首や視線の動きによって症状が悪化すると認識しているため、その動作に不安感が生じます。
「この動きをするといつも症状が出る」「この動きはしたくない」というように「この動作をすると、症状が出る」と脳が予測する事により症状を作り出すという事が起きてきます。
又、不安とPPPDは密接に関わっており、脳疲労が蓄積されると症状が出やすいとも言われております。
病院では具体的な治療法がない
めまいの原因が分かり、手術や治療法がある症状であれば問題ないですが、PPPDのようにはっきりとした原因が分かっていない症状に対しては具体的な治療法がありません。
SSRIや抗不安薬などの薬物療法で様子を見る対処療法になります。
その為、病院に通院しても治らなかった人が当院に沢山ご来院いただいております。
持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)を治す為に重要なポイント
PPPDを治す為に重要なポイントは
①「首のコリを解消する」
②「自律神経を整え、心身の緊張を緩和する」
③「足~体幹部、首、頭部に正しい感覚を入力する」
以上の3点です。
首のコリを解消する
頭の位置が変われば、それのバランスを取るために首の筋肉が緊張したり、位置を修正し、頭部の平衡状態を保とうとします。
姿勢反射と言いますが、身体の平衡感覚を司る重要な役割の一つが首です。
首のコリが慢性的に続くことで、姿勢反射の機能障害が引き起こされる要因にもなりますので、首の施術というのが重要になってきます。
首と脳は繋がっている
硬膜と呼ばれる脳や脊髄を包み込む膜があるのですが、上部頸椎はそれらと接しており、非常に大切な役割を持ちます。つまり、首にコリなどの緊張が生じると、その緊張が硬膜を伝って、脳に派生するという事です。
なので、首が緊張すると脳の圧力が高まり、脳疲労が蓄積される要因にもなるという事です。
そういった観点から首のコリはめまいと関連性が高く、それを解消する為の施術が重要という事です。
自律神経を整え、心身の緊張を緩和する
自律神経の機能が正しく働くことで、心身の緊張が解け組織の機能が正常に働きはじめます。
手足に鍼灸の刺激を行う事で、副交感神経が優位になるという反射を引き起こせます。
前述したように、めまいを発症している方は心身の緊張状態が長期間続いている方が多く、不安により脳が過緊張を起こしています。それらの緊張を緩和し、自律神経を正常なリズムへ導きます。
めまいは足元が重要
冷えのぼせという状態でもめまいは引き起こされます。冷えのぼせとは、頭が熱く、足が冷たい状態です。東洋医学では頭寒足熱と言い、足を温めることで、頭部にこもった熱や血液を下に降ろすことが可能です。
他にも、めまいに関係するツボは外くるぶしの周辺に集中しており、足元を施術する事が非常に重要です。
足~体幹部、首、頭部に正しい感覚を入力する
身体の正しい感覚が脳に入力されず、脳が正しく情報処理できない事で、引き起こされるのがPPPDです。
正しい身体の感覚ではなく、脳が予測して作り出しているのが、この症状の正体ですので、正しい身体の情報を入力する事が大切です。
姿勢維持に関わる姿勢反射に重要な足や首、背中などに鍼灸施術で刺激(痛覚、触圧覚、温冷覚)を加えることによって「正しい感覚の入力」というのができてきます。
それにより、身体の感覚と脳の感覚の誤差を少しずつ修正していく事が可能です。
前庭リハビリテーションがその一つ
PPPDのリハビリテーションとして前庭リハビリテーションがあります。様々やり方がありますが、共通しているのが、視覚や身体の感覚を行い、症状が出る動作に慣れていくという事です。
現実で起きている正しい身体や視覚の情報を入力していくのがリハビリですので、身体の感覚(痛覚、触圧覚、温冷覚など)を多く入力できる鍼灸施術は非常に有効です。
脳の誤作動が悪化する要因
身体的なストレス
身体や脳の疲労、全身のコリ、遺伝や性別によるバイタリティの差などを指します。
身体や脳に疲労が蓄積されることで、身体機能が低下したり、脳の神経回路が常時、惰性で活動状態になるので、オンとオフの切り替えが上手くいかず、自律神経も乱れていきます。
男性と女性では筋肉量や脳の作りが違うので、できる仕事も違いますし、疲れやすさも人によって変わってきます。
心理的なストレス
心理的なストレスが原因の場合です。日々マルチタスクに追われていたり、リフレッシュできる環境が無い場合や認知の歪みが起きている場合に心理的なストレスが蓄積されます。
認知とは、物事をどう認識するかという事で、それが歪んでいるとストレスを感じるという事です。
よくある例えですが、コップに半分まで水が入っているのを見て、「半分しか水が入っていない」とネガティブに捉えるか、「半分も水が入っている」とポジティブに捉えるかで気持ちは変わります。
つまり、現実で起きている事実は同じでも、捉え方によってストレスの感じ方が変わるという事です。
認知の歪み、白黒思考、完璧主義、べき思考などと言いますが、今まで生きてきた価値観が正しい、常識だと思い込み、それに当てはまらない事象が起こるとストレスを感じるという事が起きてきます。
「〇〇して当たり前」「〇〇はすべきだ」「必ず〇〇でなければならない」など、その人特有の考え方のクセがあると、それが原因でストレスを感じ、不調に陥るという事が多くあります。
環境的なストレス
生活習慣、職場環境、家庭環境、人間関係に由来するストレスです。不規則な生活習慣や、仕事が忙しく、睡眠時間の確保ができないなど、環境がもたらすストレスがコレにあたります。
目の前の課題、問題をどう解決していくか、というのが大切になってきます。感情に支配されず、論理的に物事を考える問題解決能力が必要となります。
「嫌われるかもしれないから話せない」「休みたいけど言えない」など本来解決しなければならない問題があるにも関わらず、感情に支配され、問題を先送りにしてしまい、ストレスが溜まり続けるという事が多く起こります。
持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)を治すうえで注意すべきポイント
睡眠習慣を整える
脳の誤作動を落ち着ける上で重要なのが睡眠です。特に深い睡眠のノンレム睡眠が大切で、その時間をしっかり確保する事が症状改善への近道となります。
夢を多く見る、中途覚醒が多い、起床時に疲労感がある、という方は睡眠の質が悪い可能性がありますので、改善が必要です。
長時間の同一姿勢や目の使用を控える
長時間デスクワークを行うと、首や肩の緊張が高まり、めまいの症状が出やすくなります。
又、視覚情報が脳に与える影響は大きく、誤作動で前庭反射が誘発されたり、脳疲労が溜まる原因になりますので、適度な使用にしておきましょう。
症状に対しての不安や感情をコントロールする
不安が強まれば、めまいが発生しやすくなります。病院の治療では認知行動療法なども用いられますが、その様に感情支配されずに、日々の生活を過ごしていく事が非常に重要です。
特に「自分の呼吸に集中する」瞑想がおススメです。
前述した身体の感覚を正しくに認識しながら、副交感神経を優位にし、不安を抑えるために必要な理性のコントロールもできるようになってきます。
持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)に対する当院の施術
体がリラックスし痛みに強い体が作れる
手足末端への鍼灸刺激は脳幹に伝わり副交感神経を活発にさせる働きがあります。又、下行性痛覚抑制系に作用する事で痛みが伝わるのをブロックし、鎮痛効果をもたらします。
つまり、手足末端の鍼灸刺激を行うことで「体がリラックスし痛みに強い体が作れる」という事になります。
手足に重要なツボが集中している理由はその様な事からです。
交感神経を優位にしている身体的な要因を取り除く
固有背筋という背中の筋肉があります。これは抗重力筋と言い、上体を起こしている時に働く筋肉で、前述した姿勢反射に大きく関わります。よって凝りやすい筋肉なのですが、これらは交感神経線維と密接に関わっています。
交感神経というのは脊柱の横を首から腰まで通っているのですが、それらの交感神経と固有背筋を支配している神経は吻合し(合わさり)脊髄へと入力されていきます。つまり、交感神経が支配している内臓の感覚や運動と固有背筋の感覚や運動が同調(シンクロ)するという事です。
固有背筋が収縮し続ける状態(コリ)があると交感神経も興奮を続けるという事です。
カウンセリングでストレスや不安を感じにくい考え方を
当院のカウンセリング鍼灸整体施術では、先ほど説明した様な「認知の歪み」を修正していきます。
身体の状態しか見ない施術院が多いですが、不調が出る原因は身体だけではありません。
心理や環境にも目を向けて修正していく事が完治への最短ルートになります。
当院のカウンセリング鍼灸整体施術に関して↓
症状を出にくくする事ができる
不調には波が存在します。「昨日は大丈夫だったけど今日は辛い」「さっきまで大丈夫だったのに、また急に出てきた」「今週は本当にしんどい」など、症状の波があります。
症状が出る要因は様々ですが、ストレスや疲労が一定以上蓄積されると症状が出現するというのが自律神経の不調の特徴です。つまり、仕事や家事で疲れた時は症状が出やすくなるし、ストレスを感じたり、嫌なことがあれば症状が出てくるという事です。
そして、一度症状が出現すると、症状が出現するボーダーライン(閾値)が下がってしまうのが問題です。
鍼灸施術はそれらのボーダーライン(閾値)を上げていく事ができます。
当院での持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)の改善例
当院の施術は根本的に改善していく事が可能
当院では「身体的なストレス」と「心理的なストレス」両方からアプローチしていきます。
自律神経と痛みに特化した鍼灸整体院として豊富な知識と技術を兼ね備えており、病院やマッサージ、整体など、どこに行っても治らない不調を抱えている人が全国各地から数多くご来院し、改善しております。
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