後頭神経痛の原因と鍼灸での治し方を解説
「病院で後頭神経痛と診断されたけど、全然良くならない」という人は多いのではないのでしょうか。
今回は、病院の治療でも治らない、どんな治療が良いのかわからないという方に、治らない本当の原因や治療法、治す為のポイント、当院の施術をご紹介していきます。
後頭神経痛の主な症状には、次のようなものがあります。
- 後頭部がピリピリ痛い
- 首の後ろから頭頂部にかけて痛みとシビレがある
- 頭頂部がズキンといたくなる
- 重いものを持つと後頭部が痺れる
- 耳の後ろが痛む
- 電気が走るような痛みが後頭部にでる
- 後頭部から頭頂部にかけてピリピリ、チクチク痛い
- 首や肩が凝るとズキズキと後頭部が痛くなる
上記のような症状がある方は後頭神経痛かもしれません。
その原因や適切な対処法、注意点、治す為のポイントを解説していきます。
後頭神経痛の原因と症状
後頭神経痛はいわゆる神経痛の1つで、大後頭神経痛、小後頭神経痛、大耳介神経痛の3つの種類に分けられます。
神経によって痛みが出る場所は違いますが、痛みの種類やメカニズムは基本的に同じものになります。首の付け根から後頭部にかけての頭皮や耳の後ろあたりに、突然ズキンとするような、刺すような痛みが出てくるのが特徴です。
痛みとシビレがでるメカニズム
首の後ろから後頭部にかけて伸びているのが後頭神経になります。そして、それらは筋肉を貫き、体表面に近いところまで出てきます。その為、神経が筋肉を貫通する部位の筋緊張が起こると、神経を圧迫し痛みやシビレが出現します。
長時間のデスクワークや重い物を持つ作業を繰り返すと、首や肩の筋肉が緊張し、痛みの原因になります。
病院の検査で異常ナシの場合は根本的な改善が必要
首の後ろから頭にかけての痛みや頭痛の場合、椎骨動脈解離などの可能性もありますので、病院で検査を受けておくと安心です。
軽症の場合は自然に痛みが消失するケースもありますが、症状が強い場合は鎮痛薬などが効かない事も多いです。症状を根本的に改善するには、鍼灸施術などで筋肉の緊張やコリを解消し、緊張やコリが生まれにくい身体づくりをすることが重要です。
再発しやすいのが特徴
一度、神経痛を発症し、症状が落ち着いたとしても再発する事が非常に多いのが特徴です。
長時間のデスクワークやストレス、疲労などが蓄積されると首や肩の緊張が高まり、また症状が出現します。そして、一度痛みが出てしまうと、その痛みを脳が学習してしまい、痛みを感じやすくなってしまいます。その為、発症してからはなるべく早期の施術が重要です。
ストレスでも症状は悪化する
人はストレスを感じると自律神経の交感神経が優位になり、身体が緊張してきます。
特に緊張が顕著に表れる筋肉が僧帽筋の上部線維です。
緊張すると「肩に力が入る」「肩が上がる」などと表現されますが、その時に収縮する筋肉が僧帽筋です。僧帽筋は肩甲骨や胸椎についていますが、上部線維は後頭部にも付着しています。
つまり、僧帽筋上部線維が緊張する事で、後頭部の緊張が高まり、後頭神経痛の症状が出やすくなります。
肩甲骨を下げて寄せるエクササイズが有効
背中の筋肉が弱まることで、肩や首が前側の筋肉に引っ張られます。その結果、肩が内に入り、背中が丸まる猫背の姿勢が形成されます。
筋力低下を引き起こす代表的な筋肉は僧帽筋の下部線維です。
先程は僧帽筋の上部線維が緊張を起こし硬くなると解説しましたが、下部線維は筋力低下を起こしています。同じ僧帽筋でも作用が異なり、姿勢を維持したり、肩甲骨の安定性に関わる筋肉が僧帽筋の下部線維です。
この筋肉を鍛えることで、肩甲骨が正しい位置に修正され、猫背が解消されます。それによって後頭部の緊張が解けますので、後頭神経痛を改善する為には非常に重要なエクササイズです。
僧帽筋下部の作用は肩甲骨の上方回旋や内転、下制、後傾などの作用がありますので、肩甲骨を下げて、内側に寄せるようなエクササイズが非常に有効です。
後頭神経痛を鍼灸で治すポイント
後頭部の緊張緩和
首の後ろから後頭部にかけて後頭下筋群という筋肉があり、それらの緊張を緩和する事が非常に重要です。前述した僧帽筋よりも深部にある筋肉で、後頭下筋群と僧帽筋の間を後頭神経が通過している構造になっているので、後頭下筋群に緊張が生じても、後頭神経痛の要因になりえます。
よって、ココを施術していく事が重要です。
ストレス緩和
前述したように自律神経の交感神経が優位になることで、僧帽筋を含めた筋肉が緊張してしまうので、副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせることが重要です。鍼灸施術は手足に刺激を加えると副交感神経が優位になるという反射を起こせるので、それらを利用して、患者のストレスを緩和していきます。
背部の筋力強化
前述したように僧帽筋の下部線維の筋力強化が必要不可欠です。正しい姿勢を取り、首や肩に負担がかからないようにしていく為に、当院では運動指導もしております。使い方が難しい筋肉ですので、マンツーマンで丁寧に行っていきます。
後頭神経痛を治すうえで注意すべきポイント
なるべく重い物を持たない
重い物を持ったり、片方の肩にカバンをかけるような動作は僧帽筋上部の収縮を助長し、後頭部の筋緊張を高める要因となります。症状が強い時はなるべく避けましょう。
長時間の同一姿勢は避ける
デスクワークや腕を上げる動作など、長時間同じ姿勢で行う動作は極力避けましょう。発症した直後に繰り返すと余計に周囲の筋肉が緊張し症状が悪化する恐れがあります。適度に動かしながら筋肉の緊張が起こらないようにしましょう。
肘から先の筋肉を緩める
首や肩の緊張は、腕の内側と連動しています。ヒトは肘が内側に入る動作や、手を握る動作を多用する為、自然とそれらに使用する筋肉が発達し、緊張してきます。それが首や肩の筋肉の緊張の原因になることが多いので、肘の内側を伸ばすようなストレスを行うのがおススメです。
後頭神経痛に対する鍼灸の効果
体がリラックスし痛みに強い体が作れる
上脊髄反射・下行性痛覚抑制系の賦活化をすることができます。
手足末端への鍼灸刺激は脳幹に伝わり副交感神経を活発にさせる働きがあります。又、下行性痛覚抑制系に作用する事で痛みが伝わるのをブロックし、鎮痛効果をもたらします。つまり、手足末端の鍼灸刺激を行うことで「体がリラックスし痛みに強い体が作れる」という事になります。
手足に重要なツボが集中している理由はその様な事からです。
患部の血流改善をし組織の再生を促す
鍼をするとその部位が赤くなる軸索反射(じくさくはんしゃ)という現象が起こります。
つまり、刺した部位の血管が拡張し、血流が促進しているという事です。痛みが出ている部位や、神経が障害されている部位を治す為には、その部位に免疫や酸素が豊富に含まれている血液を送り届けることが大切です。
前述したように痛みがあると血流が低下し、痛みや筋肉の緊張が強まります。それらを改善し、組織の再生を促すことができるのが鍼灸施術です。
交感神経を優位にしている身体的な要因を取り除く
固有背筋という背中の筋肉があります。これは抗重力筋と言い、上体を起こしている時に働く筋肉で、解剖、生理学上、非常に凝りやすい筋肉なのですが、これらは交感神経線維と密接に関わっています。
交感神経というのは脊柱の横を首から腰まで通っているのですが、それらの交感神経と固有背筋を支配している神経は吻合し(合わさり)脊髄へと入力されていきます。つまり、交感神経が支配している内臓の感覚や運動と固有背筋の感覚や運動が同調(シンクロ)するという事です。
そして、固有背筋が収縮し続ける状態(コリ)があると交感神経も興奮を続け内臓機能に異常が生じます。なので、東洋医学の臓器に繋がるツボは背中に集中しており、それらを施術する事で内臓機能を調整していたという事です。先人たちはすごいですね。
当院での後頭下神経痛の改善例
当院の施術で根本的に改善していく事が可能
当院では「身体的なストレス」と「心理的なストレス」両方からアプローチしていきます。
自律神経と痛みに特化した独自の施術を行っており、鍼灸整体院として豊富な知識と技術を兼ね備えております。病院やマッサージ、整体など、どこに行っても治らない不調を抱えている人が全国各地から数多くご来院し、改善しております。きっとあなたのお力になれるはずです。
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