鍼灸施術で痛みやシビレが改善する理由を解説していきます。
・慢性的に痛みが続いている
・病院に行っても治らない
・整体で施術してもすぐに痛くなる
・病院では原因不明のシビレと言われた
・根本的に今の症状を治したい
上記に当てはまるような方は是非ご覧ください
【痛みとは】
痛みは本来、身体を守るための大切な身体機能です。痛みを感じなければ命に関わる病気やケガに気が付きません。生命活動を維持する上で不可欠な存在なのです。
ですが、生命活動に必要でない痛みが存在します。それらは命に関わる痛みでないのにも関わらず、私たちを苦しめています。その痛みを取り除けるのが鍼灸施術です。
【痛みの仕組みと種類】
①侵害受容性疼痛
切り傷や火傷、打撲などで身体の組織が傷ついた時にその部分に痛みを起こす物質が発生します。
この物質が末梢神経の「侵害受容器」という部分を刺激することで痛みを感じるため「侵害受容性疼痛」とよばれています。ほとんどの場合は急性で炎症を伴っている為、一般的な鎮痛薬が効果を示します。
②神経障害性疼痛
何らかの原因で神経が障害されて出る痛みが神経障害性疼痛と言います。
腰椎椎間板ヘルニアによって坐骨神経が障害されれば坐骨神経痛と言います。頚椎症など、関節に問題がある場合も同様に神経が障害されれば腕への痛みが出現します。
傷や炎症などがなくても痛みがある場合には、神経が原因となっていることがあります。
③心因性疼痛
ストレスや不安が原因で痛みを感じる事を心因性疼痛と言います。
様々な要因がありますが、痛みの原因の組織の損傷や神経の障害が治っていたとしても、脳が誤認し、まだ痛みを感じていたり、ストレスや不安から痛みを抑制する脳の機能が上手く働かず、少しの刺激で痛みを感じたりすることがあります。それらをアロディニア、異痛症、線維筋痛症と呼びます。
心理的な問題から意識を逸らせるために無意識に身体的な問題を作り出し、そこに意識を集中させるようにしていると考えられています。
【痛みの不思議・人によって感じ方が違うのはなぜ】
痛みを感じるのは脳です。末梢神経からの情報を痛みとして脳が認知して、初めて「痛い」と感じます。ということは、同じ刺激を与えられたとしても、その刺激を「脳がどう感じるか」によって差が出るという事です。そして、それらは、その時の身体の状態、過去の経験(記憶)、その時々の文脈、生まれつきの身体の構造などが影響し決定します。
例えば、ケガをした際に最初はあまり痛みを感じなかったけど、患部を見て出血や傷がひどいと、途端に痛みを強く感じることや、格闘技をやっている人が少し殴られても平気なように、その時々、人によって痛みの感じ方が違うという経験をしたこと、あるいは聞いたことがあると思います。つまり、痛みとは単なる感覚ではなく「主観的で心理面が関わる感情」だという事です。
【脳の緊張・興奮度合いが関わる】
痛みとは生命活動を維持する上で重要な信号ですので、野生動物をはじめ、ヒトは命の危機に直面した時に、痛み情報を見逃す(認知できない)という事はあってはなりません。つまり、その様な状況下ではあらゆる感覚に鋭く、敏感になる必要があります。そして、その様な状況(命の危機)の時は心身が興奮し、瞳孔が開き、呼吸が荒くなり、心拍が上昇する、交感神経が優位な状態です。交感神経が優位な状態、脳が興奮している状態だと痛み刺激にも敏感になります。
ここで一つ疑問ですが「興奮してアドレナリンが出ている時は痛みにも鈍くなるのではないの?」と思いますよね。ですが、実際はアドレナリン自体には鎮痛作用はありません。
ではなぜそのような誤解が定説になっているのかというと、その様な言葉が使われる際は「ケガをしていたけども必死に〇〇をしていた」「ケガをしていたけど〇〇に夢中になっていた」という文脈で使われると思います。自宅で一人、冷静な時に使われる文章ではありませんよね。という事はケガをしていても遂行しなければならない何かがあり、それを達成するにあたっての周囲の期待、遂行できない事で起こるデメリットなど、様々な要因、環境、認知が作用し、痛みを感じにくくさせているのです。
前述したように「痛みは極めて個人的で主観的な体験」ですので、その時の身体の状態、周囲の環境、文脈、過去の経験などが作用し、痛みを強く感じるか弱く感じるかは、実際に起きている出来事(ケガの程度)ではなく、脳がどう感じているかという事が重要なのです。
その上で、脳の緊張・興奮を解消することは、痛みを取り除く上で重要な工程と言えます。
【鍼灸がより力を発揮するのが神経障害性疼痛と心因性疼痛】
前述した痛みの種類の中で鍼灸が特に効果を発揮するのが「神経障害性疼痛」と「心因性疼痛」です。「侵害受容性疼痛」は多くの場合外傷によるものです。よって、病院での鎮痛薬の処方や、炎症が落ち着くまで安静にしていれば、基本的に痛みは無くなっていきます。
ですが、神経障害性疼痛と心因性疼痛は原因の除去が難しく痛みが慢性的に続きやすく、病院での治療法も限られ、症状を一時的に抑えるために、抗てんかん薬、抗うつ薬、抗不安薬などが処方されるのが一般的です。
そんな多くの方が悩む「神経障害性疼痛」と「心因性疼痛」を副作用や離脱症状の心配なく、安全に改善できるのが鍼灸施術です。
【神経障害性疼痛に鍼灸が効く理由】
①軸索反射によって血流循環が良くなり組織の再生を促す
何かにぶつかったり、叩かれたりしたら、その部位は赤くなりますよね。その反応を利用して患部の血流を促進するのが鍼灸施術です。
鍼灸によって神経が刺激を受けたときに、皮膚や皮下組織に存在する受容器が反応し、その情報がUターンして皮膚に伝わり、神経伝達物質を分泌する現象です。
この神経伝達物質によって血管が拡張し、血液の流れが良くなり、痛み物質が流れることで、痛みを解消する事が可能になります。
神経障害性疼痛は神経が何らかの原因で障害されている状態ですが、その原因に筋肉や関節の緊張により神経が圧迫されているという事があります。代表的な疾患ですと腰椎椎間板ヘルニアです。椎間板がはみ出ることで通過している神経を圧迫し痛みやシビレが出てきます。痛みを解消するには様々な要因を取り除く必要があります。腰部の筋緊張による関節圧力の高まり、ヘルニアの除去などがありますが、患部に鍼灸施術をすることで軸索反射が起こり、血流が促進し、患部の緊張を取り除き、痛みを解消する事が可能です。
又、ヘルニア部位を解消するには、白血球の貪食作用が不可欠です。白血球には、身体の不要な部位を除去するという作用があります。その様な免疫が機能し、ヘルニア部位を貪食する(食べる)事でヘルニアを解消していく事ができます。その為には、白血球を患部に沢山の送る必要がありますので、その為に軸索反射でもあります。
②上脊髄反射によって副交感神経を優位にし、患部の緊張を取り除く
手足末端への鍼灸刺激は脳幹に伝わり副交感神経を活発にさせる働きがあります。
副交感神経が優位に働くことで、内臓機能が亢進しますが、その効果が高いツボとして、足三里というツボがあります。足三里は胃腸の機能を整えるツボとして有名ですが、西洋医学的な神経反射としても内臓の機能を整える事が分かってきました。つまり、副交感神経優位になることで、心身がリラックスし、筋緊張や皮膚の緊張などが解消されてくるので、神経障害を起こしている患部やその原因となる関節が緩み、痛みが解消されるという事です。
痛みが出ている患部のみを施術するのではなく、手足も同時に施術することで、全身を緩めつつ、患部も緩めることが可能です。患部だけの施術だけでは施術効果が短いことが多いですが、上脊髄反射も利用する事で施術効果を何倍にも高めることが可能です。
③下行性痛覚抑制系に作用し鎮痛効果をもたらす
下行性痛覚抑制系とは、脳幹から脊髄に向かって下行する抑制性ニューロンによって、痛みを和らげる仕組みです。
楽しいことをしている時や、何かに集中している時は痛みや不調を感じないという経験はありませんか。それには下行性痛覚抑制系が大きく関わっています。
逆に不安になったり、痛みのことばかり考えてしまう、うつ状態になったりすると、下行性痛覚抑制系の働きが鈍くなりますので痛みや感じやすくなります。
なぜそのような事が起こるのかというと、セロトニンやノルアドレナリンが大きく関わるからです。
セロトニンは神経伝達物質の1つで、精神を安定させたり幸福感を得る時に関わる物質です。他にも睡眠の質の向上やストレスの軽減などにも作用します。鍼灸施術をするとセロトニンが分泌され、痛覚の伝導路に作用し、鎮痛効果をもたらします。
局所の鎮痛だけでなく、体質的に痛みを感じにくい体を作ることが可能という事です。
【心因性疼痛に鍼灸が効く理由】
①上脊髄反射によって副交感神経を優位にし、心身の緊張を取り除く
前述したように手足末端の鍼灸刺激は副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせる働きがあります。身体がリラックスする事で末端の血管が拡張し、全身の血流が良くなることで、発痛物質を取り除き、筋肉の緊張も緩んできます。交感神経が優位になってしまうとあらゆる感覚に敏感になり痛みや患部の不快感も感じやすくなりますので、それらを症状を敏感に感じやすい人には必要な施術になります。
②患部に正しい感覚を学習させ脳の誤作動を取り除く
心因性疼痛の代表として幻肢痛が存在します。
幻肢痛は切断したはずの存在しない手足の感覚や、痛みを感じる症状で、それらは脳が誤作動を起こし作り出している症状です。そして、脳の誤作動が引き起こす症状は幻肢痛だけでなく、日常的に感じている症状でも同じことが言えます。
あらゆる感覚は脳が正しく認知する事で、現実で起きている出来事と一致します。逆に言うと正しく認知できないと、現実で起きている出来事と乖離した感覚を感じることも起きてくるという事です。
例えば、黒板を爪で引っ掻くという行動を目の当りにしたり、聞いたり、想像すると自分の指先に不快感を感じ、ざわざわする感覚になりませんか?(僕は苦手です。笑)
それは、過去に黒板を引っ掻いた記憶があり、その時の身体感覚を想像した結果、現在の自分は黒板を引っ掻いていないけども、指先に不快感を感じるというメカニズムなのです。
前述したように、痛みをはじめ、あらゆる感覚が個人的で主観的な体験ですので、そこには過去の記憶や、現在の文脈、現在の身体環境、心理状態が大きく関わってくるのです。つまり、あらゆる感覚は脳が予測して作り出すことが可能で、その情報と、実際の身体感覚の情報が一致し、正しく統合されないと、幻肢痛をはじめ、あらゆる原因不明の痛みに繋がる可能性があるという事です。
そして、それは神経の興奮を強制的に落ち着けるような鎮痛薬や、抗うつ薬、抗不安薬などを長期間服用する事で、正しい身体の感覚情報が脳にフィードバックされなくなってしまい、脳が勝手に身体の感覚を作り出すという結果に繋がってしまいます。
その他にも、筋力低下や、感覚の認知力の低下などでも同じような事が起きてきます。
鍼灸の刺激を身体に刺激を加えることで「今までの感覚(痛みや不快感)じゃなくてこっちの感覚が正しい感覚なんだ」と、正しい感覚が脳にフィードバックされるようになります。それを続けていく事で、痛みやシビレ、不快感を取り除くことが可能です。
③下行性痛覚抑制系に作用し鎮痛効果をもたらす
前述した通りです。
【心身をリラックスさせることが痛み・シビレを完治させる第一歩】
これまでの解説をご覧いただいたら、痛みを感じる患部だけ施術すれば良いわけではないことが分かったと思います。痛みが起きている原因は様々あり、それを治していく為には、身体の様々な機能を働かせ、正常な機能に戻していく必要があります。
心身が緊張し、交感神経が興奮する事で、筋肉がこわばり、血管が収縮し血流が悪くなります。
その結果、患部に痛みの原因の発痛物質が停滞し、余計痛みを感じるようになります。そして、その痛みがストレスとなり交感神経が優位になる、という悪循環になるのです。
この負のサイクルから自身の力で抜け出すことは相当難しいです。単純な痛みだけでなく、自律神経の不調を抱えている場合は、体力も低下し、回復力も低下している状態です。
そのような時は鍼灸施術で外から刺激を加えて回復力を高めることが大切です。
【当院の施術で根本的に改善できます】
前述した内容を全て踏まえた上で、患者様の病態を把握し、一人ひとりに合った施術を行います。
同時に当院独自の神経解放鍼灸テクニックを行うことで患者様の症状を改善へと導きます。
施術に関して紹介している記事があります。
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当院の施術は根本的に改善していく事が可能
当院では「身体的なストレス」と「心理的なストレス」両方からアプローチしていきます。
自律神経と痛みに特化した鍼灸整体院として豊富な知識と技術を兼ね備えており、病院やマッサージ、整体など、どこに行っても治らない不調を抱えている人が全国各地から数多くご来院し、改善しております。
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