- 自律神経失調症にどんな施術効果的なの?
- そもそもなぜ自律神経失調症になるの?
- 正鍼灸整体院がどんな施術をしているのか知りたい
- 脳の興奮ってなに?
上記のような疑問をお持ちの方は是非ご覧ください
【自律神経失調症は脳の過剰興奮が原因です】
「自律神経失調症」は一般でも多く認知されている言葉ですが、病名ではありません。
自律神経系という全身の機能を調整する神経系(交感神経系と副交感神経系)がうまくコントロールできないことによって引き起こされる、様々な全身症状の総称です。
動悸、発汗、めまい、ほてり、頭痛、胃痛、腹痛、下痢、吐き気、ふるえ、筋肉痛、喉のつまり感、息切れ、食欲不振、全身倦怠感などの身体症状がありますが、病院では器質的疾患(検査により臓器や器官に異常が認められる病気)がない場合に自律神経失調症と診断されることがあります。
それぞれの臓器で起こる不調の現れ方によって別の病名がつくことがあります。
頭痛の症状であれば「偏頭痛」や「緊張型頭痛」、喉がつまるような感覚が起こる「咽喉頭異常感症」、下痢・便秘・腹痛を繰り返す「過敏性腸症候群」、胃の不快感や痛み「機能性ディスペプシア」息苦しさ「過換気症候群」、全身の痛みが続く「線維筋痛症」などです。
このように病院では何かを受診するかによって病名が変わるので、病気の本当の原因や病態に気づけません。自律神経とは全身に分布しており、全身を調整する機能ですので、局所しか診ない治療や施術では治りにくく、効果を感じられません。
全身の神経は直接的、又は間接的に繋がっており、それらを統合しているのは脳になります。
脳が興奮し、誤作動を起こしている状態が自律神経失調症の病態と言えます。
【なぜ脳が興奮するのか】
要因は様々ですが、主に4つあります。
- 環境ストレス(職場、家庭、人間関係など)
- 生活習慣ストレス(不規則な睡眠習慣、睡眠不足、食事習慣、運動不足など)
- 身体的なストレス(筋肉のこわばり、痛み、コリ、肉体疲労)
- 認知の歪み(考え方のクセ・ゼロひやく思考・白黒思考・完璧主義・~ねばならない・べき思考・トラウマなど)
上記の4つのうちどれか1つに問題がある場合もあれば、複数が複雑に絡み合う事で発症することもあります。
【生物心理社会モデルが関わる】
精神医療の分野での考え方で生物心理社会モデルというものがあります。
原因不明の不調になる時は、下記のいずれか、もしくは複数に問題があります。それらを包括的に治療していく事が大切です。
【生物】
脳や遺伝子などの要素です。性別やバイタリティが分かりやすい例ではないでしょうか。
男性と女性では筋肉量や脳の作りが違うので、できる仕事も違いますし、疲れやすさも人によって変わってきます。
例えば、自閉症スペクトラムやADHD(注意欠陥・多動性障害)などの発達障害は、生まれながらの脳の異常であり、遺伝的な要素が強いものです。そのような人たちは他の人に比べると感覚過敏になりやすい傾向がありますので、音、光、匂いなど様々刺激に敏感です。
医学用語ではないですが、HSPという言葉があり、HSPは病気や障害ではなく、気質をあらわす概念です。周囲の些細な変化に気づきやすく、小さな刺激に敏感に反応する。共感力が強く 繊細さがあります。やはりHSPの人もそうでない人と比べるとストレスを感じやすい傾向にあるという事です。
身体的な疲労や慢性的なコリなども個人差があり、自律神経を乱す要因と言えます。
【心理】
個人の考え方や価値観の要素です。物事の捉え方一つで、気持ちは変わります。
よくある例えですが、コップに半分まで水が入っているのを見て、「半分しか水が入っていない」とネガティブに捉えるか、「半分も水が入っている」とポジティブに捉えるかで気持ちは変わります。
つまり、現実で起きている事実は同じでも、捉え方によってストレスの感じ方が変わるという事です。認知の歪み、白黒思考、完璧主義、べき思考などと言いますが、今まで生きてきた価値観が正しい、常識だと思い込み、それに当てはまらない事象が起こるとストレスを感じるという事が起きてきます。「〇〇して当たり前」「〇〇はすべきだ」「必ず〇〇でなければならない」など、その人特有の考え方のクセがあると、それが原因でストレスを感じ、不調に陥るという事が多くあります。
【社会】
環境、人間関係、経済的な要素です。職場環境、職場の人間関係、親子関係の問題や、夫婦関係の問題などのストレスが原因になることです。目の前の課題、問題をどう解決していくか、というのが大切になってきます。感情に支配されず、論理的に物事を考える問題解決能力が必要となります。
「嫌われるかもしれないから話せない」「休みたいけど言えない」など本来解決しなければならない問題があるにも関わらず、感情に支配され、問題を先送りにしてしまい、ストレスが溜まり続けるという事が多く起こります。
問題解決能力も遺伝によって決まる要素がありますが、トレーニングで養える能力でもありますので、自分で解決する事もできますし、出来ない場合はカウンセリングや相談などをして導いてもらう必要もあります。
【一般的に身体(生物)の問題しかみない治療院が多い】
前述したように人がストレスを感じ不調になる時は様々な問題が複雑に絡み合っている場合が多いです。その状態で身体の施術だけして良くなるのでしょうか。会社の上司からのパワハラがあり、仕事が忙しく自律神経失調症になった人に対して、体だけ施術して完治するのでしょうか。答えはいいえです。いくら身体の状態を改善したとしても、根本的には「上司のパワハラ」「労働環境」の問題がありますので、それを解決しない限りはまたストレスが溜まり不調になるという事を繰り返します。
当院では身体の状態を改善するのはもちろん、自分で解決できないような悩みや問題をカウンセリングし、一緒に解決策を見つけていきます。考え方のクセ、認知の歪みなども同様に修正し、主観や感情に囚われず、生活しやすい環境を整えることが可能です。
「治療家は体だけ見ればいい」という考えの方もいらっしゃいますが、僕はそうは思いません。病院の薬物療法で効果の無い人、薬の副作用・離脱症状で苦しんでいる人を山のように見てきました。
「施術で身体の機能だけ変えればいい」は「薬物で身体の機能だけ変えればいい」と同じだと思います。もちろん鍼灸は副作用や離脱症状はありませんが、そんなに単純な話ではないと思います。
【本来ならば相談や話し合いで解決しなければならない】
本来は対話で問題を解決するのが望ましいですが、可処分時間が少ない現代社会では病院の薬物療法に頼らざるを得ないのが現状です。
だからこそ、当院では対話で安心を与え、薬に頼らず身体の機能を正常に戻し、社会復帰できるまで支え、安心できる場所を提供しようと考えております。
当院でカウンセリングを受けなくても、患者様の不調の原因を明確に説明し、病院でのカウンセリングの必要性や職場環境の整備などの必要性を感じて頂けるだけでも十分意味はあると考えております。
【偏桃体の興奮とDMN(デフォルトモードネットワーク)】
不調に陥ると不安を誰しもが不安を感じますよね。不安や恐怖を感じている時は大脳辺縁系の偏桃体という部位が興奮している状態です。
大脳辺系はヒトの本能的な部分を司る部位であり、情動(恐怖、驚き、怒り、悲しみ、喜びなどの感情)に関わります。快、不快を判断する部位でもあり、不安を感じている時はこの部位が興奮しています。
偏桃体が興奮すると自律神経の中枢である視床下部に興奮が伝わり身体機能にも興奮してきます。心拍数増加、血圧増加、呼吸数増加など、いわゆる交感神経が優位な状態が続きます。
本来であれば大脳の前頭前野が理性を働かせ、偏桃体の興奮を自動的に抑え込むのですが、それが上手くいかないと不安という感情に支配され体が興奮し、症状が出てくるという悪循環に陥ってしまいます。
ヒトは何も課題に取り組んでいない時、「ぼーっとしている」と表現されるような状態でも脳は常に働いています。いわば、脳のアイドリング状態です。その時の脳の神経回路の状態をデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)と呼びます。
何も考えずに惰性で行動する事ができるのはこのシステムのおかげです。例えばスポーツで同じ練習をひたすら繰り返していると、本番では何も考えずに勝手に体が動くという事が起こります。
他にも、お風呂で体を洗う際の左右の順番やどこから洗うかなど、その都度考えている人は少ないと思います。いつもの習慣で体を洗う順番を考えないでも勝手に体が動くという事が起こります。「あれ、頭洗ったっけ?」とかなるのがその証拠です。つまり、過去の記憶や経験を基に何も考えずに惰性で行動できるようにする仕組みがデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)です。
ですが、その状態というのは「何も考えていない」状態ですので、理性が働いていない状態とも言えます。つまり、偏桃体の興奮を抑える為に必要な大脳の前頭前野の活動が低下している状態なのです。
「何かに集中している時、仕事をしている時は不調を感じません」「自宅にいる時、帰宅すると症状を感じます」という方が多くいますが、その様な脳の神経回路の問題で不安を感じ、身体が興奮し、自律神経の症状が出現するというメカニズムになっている可能性があるという事です。
【脳(偏桃体)の興奮を落ち着けるには】
習慣となっている思考のクセや「心ここにあらず」で理性が働いていない時はデフォルトモードネットワークが活動しており、偏桃体が興奮している状態です。
前述したように大脳の前頭前野を働かせれば偏桃体の興奮を落ち着けることができるのですが、その方法として有効なのが「瞑想」です。瞑想は様々なやり方がありますが、代表的なやり方として「自らの呼吸に集中する」というものがあります。それはデフォルトモードネットワークと対になるセントラルエグゼクティブネットワーク(CEN)という脳の神経回路を利用した方法です。
セントラルエグゼクティブネットワーク(CEN)は何かの課題に取り組んでいる時、集中している時に働く神経回路です。つまり呼吸に意識を集中し、理性を働かせる事で大脳の前頭前野の活動が活発になり、偏桃体の興奮が落ち着いてきます。その結果不安も落ち着き、身体の興奮も治まってくるというメカニズムが瞑想なのです。瞑想のやり方などはご来院時にセルフケアでお伝えしています。
【鍼灸施術でも同様の効果が得られる】
鍼灸を受けるにあたって、施術者は患者の体に触れ、鍼を刺していきます。現代の日常生活において他者に体に触れられるという経験は少ないと思います。よって患者は触れている部位に集中し、鍼が刺さる瞬間や響く感覚に無意識に意識を集中させるという事が起きてきます。「鍼ってどんな感覚かな」「そこは痛いかな」「ここは気持ち良いな」など、普段の生活では感じない新たな感覚が記憶として形成されるのです。なので、自然と鍼灸施術を受けている間は瞑想状態になり、脳の興奮が落ち着いてきます。そこに鍼灸施術本来の効果と、当院独自の神経解放鍼灸テクニックを合わせることで効果を高めていきます。
【自律神経の症状は病気ではなく、ただの生体反応】
自律神経の症状が病院の検査で異常ナシと言われる理由は、身体の構造的な問題でなく、機能の問題だからです。つまり、身体の正常な機能が少し誤作動を起こしているという事です。
例えば、お化け屋敷はほとんどの人が恐怖しますので、心拍数が上がり、血圧が上がり、呼吸が速くなりますよね。それは恐怖というストレスに対して体が反応しているのからです。その状態は病気ではなく正常な生体反応です。日常生活では職場の人間関係や疲労がストレスになり生体反応を引き起こします。それも正常な生体反応です。
自律神経は循環器系、消化器系、呼吸器系、前庭器系、神経系、心理系など様々機能に関係するので、ストレスや疲労が蓄積されればそれらの機能に異常が出現します。
癌や骨折などは患部の組織に問題があり、その異常な状態(病態)が無くなれば治った、となりますが、自律神経の症状は出たり、治まったりする生体反応なので、病院の検査では引っかからず異常ナシと言われてしまい、対処療法として抗うつ薬や抗不安薬が処方されます。
【その薬は何に対して服用しているのかを考える】
職場の人間関係や疲労が身体にストレスとなり、症状(動悸や息苦しさ)が出ている状態で、対処療法として抗不安薬が処方され服用していたとしても、それは一体何に効くのでしょうか。
ベンゾジアゼピン系の抗不安薬であれば、一時的に体をリラックスさせる作用がありますので、この例で言うと動悸や息苦しさに対しての薬が処方されているという事です。ですが、それを服用し症状が抑えられたとしても、それは治ったとは言えそうにありません。なぜならば、症状の原因となる職場のストレスや疲労に関しては何も解決していないからです。その状態で薬を飲み続けても、効果が少なくなり、副作用、離脱症状などのリスクもありますので、根本から改善したい人はあまり向かないかもしれません。
【症状の閾値を上げるのが鍼灸の真髄】
自律神経の症状には波が存在します。「昨日は大丈夫だったけど今日は辛い」「さっきまで大丈夫だったのに、また急に出てきた」「今週は本当にしんどい」など、症状の波があります。前述した「生物心理社会モデル」で解説したように、自律神経の症状が出る要因は様々ですが、それらのストレスや疲労が一定以上蓄積されると症状が出現するというのが自律神経の不調です。つまり、仕事や家事で疲れた時は症状が出やすくなるし、ストレスを感じたり、嫌なことがあれば症状が出てくるという事です。そして、一度症状が出現すると、症状が出現するボーダーライン(閾値)が下がってしまうのが問題です。
例えば、疲労やストレスのボーダーライン(閾値)が100で、100のストレスや疲労が溜まったら動悸や息苦しさなどの症状が出る人がいたとします。一度100を越え、症状が出ると、次はそのボーダーライン(閾値)が80まで下がります。また症状が出ると60、40と、どんどん下がってきてしまいます。つまり「今までは週5日働けてたけど、不調になってから4日しか働けない、3日しか働けない」という事が起きてきます。「前まで夏場でも外出できてたけど、今は暑い所に行くとすぐに体調が悪くなる」など、自らの行動に制限がかかり、やりたいことができなくなり、行動範囲が狭くなっていき、自信が無くなってきてしまいます。
鍼灸施術はそれらのボーダーライン(閾値)を上げていく事ができるのです。
なので「外出できるようになった」「今週は症状が出なかった」など、以前は症状が出ていたような体へのストレス・疲労のレベルでも、症状が出なくなるという事が起きてきます。それが鍼灸施術の効果であり、症状の治り方です。
【症状が治るとは】
ココが最も重要です。そもそも自律神経失調症は病気ではありませんので、治るという概念ではなくなります。
「症状を忘れる事」これが当院と患者様が最終的に目指すゴールです。
症状について思い出し、症状を気にすることがストレスに繋がりますので、症状のことを思い出しているうちは心身の興奮が治まりにくい傾向にあります。施術をして、一時的に心身の緊張が解け「ラクだな」という時間を作ることは大切ですが、それ以上に日々の過ごし方が症状を改善していく上で非常に大切です。常に不調を気にして不安という感情に支配されている状態だと、そうでない人に比べて、ストレスを感じやすく改善しにくいことは容易に想像できると思います。
だからこそ、当院では心理的な部分にアプローチする認知療法や、認知行動療法などを取り入れ改善しやすい環境を整えています。
感情に支配されず、論理的に物事を考え、理性を働かせることで、脳(偏桃体)の興奮が治まり、不調の時の嫌な記憶を新しい記憶で上書きする事ができます。
大脳辺縁系には不安などを司る偏桃体と近くには記憶を司る海馬が存在し、海馬に刻み込まれた嫌な記憶というのは近くの偏桃体を興奮させます。それがトラウマやPTSDというものです。
不調の事ばかり考え不安な状態(偏桃体の興奮状態)が長期間続くことで海馬が委縮し、新たな記憶を形成する事ができなくなってきます。前述したデフォルトモードネットワークの状態「心ここにあらず」で、ボーっとし、新しい記憶が形成できないので物忘れなどの症状も出てきます。
生物心理社会モデルで述べたように、身体と心と社会環境を包括的にみていき、全体を修正し、改善していく事が本当の意味(広義)での完治だと考えております。
当院の施術は根本的に改善していく事が可能
当院では「身体的なストレス」と「心理的なストレス」両方からアプローチしていきます。
自律神経と痛みに特化した鍼灸整体院として豊富な知識と技術を兼ね備えており、病院やマッサージ、整体など、どこに行っても治らない不調を抱えている人が全国各地から数多くご来院し、改善しております。
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