股関節の前の痛みの原因と鍼灸での治し方を解説
「病院で原因不明と言われたけど具体的な治療法が無くて困っている」「日に日に症状が強くなり治るのか不安」など、股関節の前の痛みが辛くてお困りの方へ。
今回は股関節の前の痛みがなぜ起こるのか、メカニズムから鍼灸での治し方まで徹底的に解説していきます。
股関節の前の痛みの主な症状には、次のようなものがあります。
- 股関節の前側が痛い
- 階段の上り下りをすると股関節の前が痛い
- 股関節を深く曲げると前側が詰まる様に痛い
- 立ち上がる時に痛みが強くなる
- 歩く時や股関節を伸ばすと痛みが出る
- 足を開くと股関節の前が痛い
- 仰向けで寝ていると股関節の前が痛くなる
その原因や適切な対処法、注意点、治す為のポイントを解説していきます。
股関節の前の痛みを薬に頼らず治すのが当院の鍼灸施術

心身の状態を健康な元の状態に元すのが鍼灸施術の真髄です。薬物療法に頼らず、根本的に体質を改善し、不安が生じにくい身体づくりが可能です。
病院では原因不明と言われている疾患の患者様が全国各地からご来院し、改善している実績が豊富にございます。
整形外科で原因不明・治らない方は鍼灸整体へ

股関節の前の痛みには、変形性股関節症や鼠径部痛症候群、鼠径ヘルニア、大腿骨頭壊死などが考えられますが、今回は病院での画像検査で異常が見られなかった症状について解説していきます。
その為、股関節の前側に痛みがある場合は、まず病院で検査を受け、異常が無い場合は鍼灸や整体施術の対象になります。
股関節の前に痛みが出る原因

股関節の前面の痛みの事を総称して鼠径部痛症候群(グローインペイン症候群)と呼びます。
原因は様々ですが、股関節周辺の筋肉や腱、関節に負荷が生じ痛みに繋がります。病院などで手術の対象になるようなことは滅多にありませんが、適切な治療やリハビリを受けにないと痛みが慢性化し、変形性股関節症などの骨や関節の変形が起こる疾患にも繋がるので注意が必要です。
股関節の前に痛みが主な原因は次の通りです。
腸腰筋の緊張や筋力低下

股関節の前面には腸腰筋という筋肉が存在します。大腰筋と腸骨筋という二つの筋肉を総称して腸腰筋と呼び、それらの筋肉が緊張し硬くなることで、股関節の前面に痛みが生じます。
腰椎や腸骨から大腿骨の小転子に付着しており、股関節の屈曲や姿勢の保持に関わる筋肉です。
インピンジメント
股関節の周囲には関節を包む関節包や腱、靭帯が豊富に存在するためそれらの組織が関節や骨とぶつかったり、擦れたりすることで痛みが生じる場合があります。股関節の周囲には腸骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯大きく三つの靭帯が存在しており、それらの靭帯が緊張する事で痛みが出現しやすくなります。
関節のアライメント不良
関節が動く際には大腿骨頭と寛骨の寛骨臼という窪みが正確にハマり合う事で正常な関節の動きが可能になります。ですが、周囲の筋肉の緊張や筋力低下によって関節周囲のバランスが崩れ、次第に関節の動きに特有のクセが出てきます。その結果、大腿骨頭と寛骨臼のアライメントが乱れ、股関節を曲げた時や体重が加わった際に痛みが出てきます。
内転筋の緊張や筋力低下

内転筋群は複数の筋肉から構成されており、それらの筋肉の多くは恥骨から大腿骨に付着しています。内転筋群は股関節や膝関節の安定性に関わる為、これらの筋肉が筋力低下を起こしたり、緊張する事によって関節がスムーズに動かなくなってきます。その影響で関節部に負担がかかり痛みが生じます。
腰椎、胸椎の柔軟性低下
股関節が屈曲する際は股関節だけでなく、完骨や腰椎、胸椎も後傾、屈曲し膝が体幹に近づきます。その為、腰椎や胸椎の柔軟性が低下する事によって、股関節の可動域が低下し、代償動作を行う事で痛みが出現するという事が起きてきます。
中殿筋の筋力低下が関わる

股関節の安定性向上や関節部への負担を軽減する為には中殿筋の筋力強化が重要です。
逆に中殿筋が筋力低下を起こす、もしくは正しく使えていないことで関節部への負担が増強し痛みに繋がります。
中殿筋は股関節の外転(足を外に開く動作)に作用する為、歩行時や立位時の片足で立つときに骨盤を水平に保つ役割があります。中殿筋が正常に働かないと骨盤が支えられずに大腿骨が内転し、股関節の内側や前面に負担が生じるようになります。
膝が内側に入る人(ニーインする人)は要注意

階段の上り下りをする際や歩行時に体重をかける方の足の膝が内側に入っている人は中殿筋が正しく使えていない可能性があります。その為、股関節だけでなく膝関節にも負担が生じますので、変形性膝関節症や変形性股関節症などの症状に繋がりやすくなります。
元々人体の構造上、膝は内側に入りやすくなっているため、股関節や膝関節に体重が乗った時に筋肉を使わずに骨だけで支えるにはラクな姿勢とも言えますが、その分、関節部に負担が生じやすくなる為、正しく筋肉を使い関節部への負担を軽減していく必要があります。
深層外旋六筋の柔軟性が必要

股関節の安定性に関わる筋肉に深層外旋六筋という筋肉があります。深層外旋六筋とは梨状筋、上双子筋、内閉鎖筋、下双子筋、大腿方形筋、外閉鎖筋の六つの筋肉で構成されており、股関節を外旋させる、骨盤の臼蓋(受け皿)に大腿骨の骨頭を引き付ける、さまざまな角度で骨頭を求心位に保つなどの作用があります。
つまり、大腿骨を常に寛骨臼に引き寄せ、安定させる役割があります。
ですが、深層にあるこれらの筋肉が緊張し硬くなることで大腿骨頭のハマりが悪くなり、大腿骨が前方に押し出されます。それにより股関節の前面に痛みが生じることがあります。
股関節は柔軟性が必要な関節

人体の関節にはスタビリティ関節(固定性の関節)とモビリティ関節(可動性の関節)の2種類が存在しており、両者は必ず隣り合っています。そうする事で、効率よく正しく関節を動かすことが可能になります。
股関節はモビリティ関節で、様々な方向に動くようになっていますが、上にある腰椎や膝関節はスタビリティ関節で可動性に乏しく安定性を求められる関節となっています。
つまり、股関節の柔軟性が低下すると腰椎や膝関節に負担が生じ更なる痛みに繋がる可能性があります。
病院での治療で改善しない人が沢山いる

股関節の痛みというと整形外科で診察を受ける人が多いですが、レントゲンなどの画像検査で異常が見つからなければ、痛み止めやシップを処方されるだけになります。
具体的な治療法が無いため、痛みが慢性的に続き、そのまま変形性股関節症に移行してしまう患者さんが非常に多いです。手術の適応になるような疾患に関しては病院での治療が必要になりますが、そうでない場合は病院以外の治療法を早期に見つけることが重要です。
鍼灸整体での治し方

当院が行う鍼灸整体施術は患部の圧力緩和と鎮痛を目的として施術を行います。
患部の血流が改善され、神経の機能が元に戻ることで辛い痛みやシビレが改善していきます。
全身の緊張を緩め、血流改善をしていきますが、股関節の痛みの施術で代表的なツボとして環跳(かんちょう)があります。このツボは深層外旋六筋の周囲に存在しており、この周囲の筋肉を緩めることで股関節の圧力が緩和し痛みを取り除くことが可能です。
深部の筋肉を緩めるには鍼灸施術が有効
深部の筋肉や神経に直接アプローチ出来るのは鍼灸だけです。
マッサージなどの刺激で腰部を刺激すると関節部に負担がかかり症状が悪化する場合があります。最低限の刺激で的確に施術する事で体への負担が抑えられ回復が早まります。
特に臀部は脂肪組織が豊富に存在している為、簡単には届きません。長い鍼を使用し緩めたい筋肉を的確に施術していく必要がありますので、豊富な知識と技術が必要です。
股関節の前の痛みを改善する為のストレッチ
股関節の前の痛みを改善する為のストレッチをご紹介します。
施術を受けつつプラスアルファで行う事で症状の改善が見込まれます。行っている際に痛みが強くなるようであれば中止するようにしてください。
内転筋のストレッチ

①あぐらの体勢になり、両方の足の裏同士をくっつける
②その後骨盤を立てた状態でお臍から前に倒れるようにする
③その状態で呼吸を止めないようにしながら30秒キープする
腸腰筋のストレッチ

①片足を椅子に乗せて立つ
②乗せた方と反対側の足に重心が乗るようにしながら股関節の前面を伸ばす
③その状態で呼吸を止めないようにしながら30秒キープする
痛みが慢性化する要因に自律神経が関係する

痛みが慢性化する要因の一つに自律神経の乱れががあります。心因性腰痛とも言いますが、自律神経の乱れが原因で痛みを作り出すという事が起きてきます。
ヒトはストレスを感じると交感神経が優位になり、末梢の血管が収縮します。それにより血流循環が悪くなり、痛みの原因物質が停滞し腰痛を発症します。
患部の施術だけでなく自律神経も整えることが重要です。
自律神経を乱すストレスを減らすことが重要

身体的なストレス
身体や脳の疲労、全身のコリや緊張を指します。
身体や脳に疲労が蓄積されることで、身体機能が低下したり、脳の神経回路が常に惰性で活動状態になるので、オンとオフの切り替えが上手くいかず、自律神経も乱れていきます。
鍼灸や整体、運動、ストレッチなどの日々のケアで緊張を解消する事が重要です。
心理的なストレス
日々マルチタスクに追われていたり、リフレッシュできる環境が無い場合や認知の歪みが起きている場合に心理的なストレスが蓄積されます。
認知とは、物事をどう認識するかという事で、それが歪んでいるとストレスを感じるという事です。
認知の歪み、白黒思考、完璧主義、べき思考などと言いますが、今まで生きてきた価値観が正しい、常識だと思い込み、それに当てはまらない事象が起こるとストレスを感じるという事が起きてきます。
認知を変えることで心理的なストレスの軽減に繋がりますので、認知療法や認知行動療法が重要になってきます。
環境的なストレス
生活習慣、職場環境、家庭環境、人間関係に由来するストレスです。不規則な生活習慣や、仕事が忙しく、睡眠時間の確保ができないなど、環境がもたらすストレスがコレにあたります。
目の前の課題、問題をどう解決していくか、感情に支配されず、論理的に物事を考える問題解決能力が必要となります。
「嫌われるかもしれないから話せない」「休みたいけど言えない」など本来解決しなければならない問題があるにも関わらず、感情に支配され、問題を先送りにしてしまい、ストレスが溜まり続けるという事が多く起こりますので、環境が大きなストレスになっている場合は、冷静に対処する必要があります。
股関節の前の痛みに対する当院の施術

心身の緊張を取り除き脳の興奮を解消していく
当院の鍼灸施術は心地よく優しい刺激で行う事で副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせます。
脳や身体の過剰な緊張を取り除くことで自律神経の乱れを解消し、症状を治していきます。
施術中に眠ってしまうほどの優しい刺激ですので初めての方でも安心して受けられます。
深部の筋肉へのアプローチ
整体やマッサージでは届かない深部の筋肉へのアプローチは鍼灸施術が非常に有効です。
関節付近の細かな筋肉はストレッチなどでは対応できない場合が多いので、当院の鍼灸技術によって、その様な難しい部位へのアプローチが可能になります。
再発を防げ、ずっと健康に
不調には波が存在します。「昨日は大丈夫だったけど今日は辛い」「さっきまで大丈夫だったのに、また急に出てきた」「今週は本当にしんどい」など、症状の波があります。
症状が出る要因は様々ですが、ストレスや疲労が一定以上蓄積されると症状が出現するというのが腰痛の特徴でもあります。つまり、仕事や家事で疲れた時は症状が出やすくなるし、ストレスを感じたり、嫌なことがあれば症状が出てくるという事です。
そして、一度症状が出現すると、症状が出現するボーダーライン(閾値)が下がってしまうのが問題です。
鍼灸施術はそれらのボーダーライン(閾値)を上げることができ、再発しない身体づくりが可能です。
当院での股関節の前の痛みの改善例
当院の施術は根本的に改善していく事が可能

当院では「身体的なストレス」と「心理的なストレス」両方からアプローチしていきます。
自律神経と痛みに特化した鍼灸整体院として豊富な知識と技術を兼ね備えており、病院やマッサージ、整体など、どこに行っても治らない不調を抱えている人が全国各地から数多くご来院し、改善しております。
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