ぎっくり腰（急性腰痛）の原因と鍼灸での治し方を解説
「病院で急性腰痛と言われたけど具体的な治療法が無くて困っている」「日に日に症状が強くなり治るのか不安」など、腰痛の症状が辛くてお困りの方へ。
今回はぎっくり腰（急性腰痛）がなぜ起こるのか、メカニズムから鍼灸での治し方まで徹底的に解説していきます。
ぎっくり腰（急性腰痛）の主な症状には、次のようなものがあります。
- 朝起きた時に腰が痛い
- 重い物を持ちあげた時に腰に激痛が走った
- 前かがみや中腰になるのが辛い
- 少し動くだけで電気が走るように痛い
- 何もしなくてもジンジンとした痛みがある
- 腰が痛くて寝返りができない
- 腰だけでなくお腹や足まで痛い
上記のような症状がある方はぎっくり腰（急性腰痛）かもしれません。
その原因や適切な対処法、注意点、治す為のポイントを解説していきます。
ぎっくり腰（急性腰痛）を薬に頼らず治すのが当院の鍼灸施術
心身の状態を健康な元の状態に元すのが鍼灸施術の真髄です。薬物療法に頼らず、根本的に体質を改善し、不安が生じにくい身体づくりが可能です。
病院では原因不明と言われている疾患の患者様が全国各地からご来院し、改善している実績が豊富にございます。
ぎっくり腰（急性腰痛）が起こる原因は２つ
椎間板ヘルニアや、脊椎カリエス、腰椎の圧迫骨折、脊髄腫瘍などの身体の構造的な問題がある場合を除いたものを解説していきます。
病院の検査で身体の構造には問題が無い場合、ぎっくり腰は「急性腰痛」と診断されます。
重い物を持ちあげた時はもちろん、少し体を捻るなどの少しの動作でも強い痛みを引き起こすのが急性腰痛です。
そして、その原因は次の２つに分類されます。
筋肉や関節の硬さ、緊張の問題
筋力低下や筋緊張、関節可動域の低下、関節部への負荷などが原因で腰部に負荷が生じ急性腰痛を引き起こします。
患部への負荷が蓄積している状態で、重い物を持ちあげたり、少し捻るなどの外力が加わることで、筋肉や関節が傷つき炎症が起きてきます。
内臓の緊張や冷えの問題
内臓の緊張や冷えが起こると、周囲の筋肉は緊張します。これを内臓体性反射といい、内臓の状態が筋肉や皮膚に影響するというのもです。
例えば、下痢をしている時は腸が過活動を起こし、便を体外に排出しようとしまうすが、それと同時に腹痛や腹部の筋肉の緊張が出てきます。ここまで行かなくとも、内臓が冷えたり、上手く働かないことがあると、その周囲の筋肉に影響が出るという事が起こります。
ぎっくり腰を引き起こす原因の関節と筋肉
全ての症状が当てはまるわけではありませんが、ぎっくり腰（急性腰痛）を引き起こす原因になる事が多い関節や筋肉を解説していきます。
椎間関節
椎骨という骨が連なって関節として連結する事で脊柱となり、身体を支えています。
腰椎でいうと５つありますが、それらの椎骨同士は多数の靭帯を介して関節を形成しています。
それらの靭帯や関節部の骨が傷つき炎症が起こることで周囲の筋肉を緊張させ痛みを引き起こします。
腸腰筋（腸骨筋・大腰筋）
大腰筋は胸椎12番と腰椎の横突起から大腿骨の内側（小転子）に付着する筋肉、腸骨筋は腸骨窩から小転子に付着する筋肉で、共に股関節を曲げる作用があります。
この筋肉が緊張し硬くなると股関節が屈曲した状態で固まるので、腰を反らす動作に制限が生まれます。又、腸腰筋は深部の筋肉で、腸や腎臓と近い距離に存在する為、腸や腎臓の影響を受けやすいです。
腸はもちろんのこと、腎臓は血液をろ過する臓器ですので、手足の冷えた血液が随時腎臓を通過します。それにより腎臓にも冷えが生じ、周囲の筋肉や組織に緊張を及ぼすことがあります。
横隔膜
横隔膜は胸骨、腰椎、肋骨などに付着しており、胸腔と腹腔を分ける役割を担っております。
胃や肝臓と接しているため、それらの臓器の影響を受けやすいです。そして迷走神経支配の為、自律神経や呼吸の影響も受けやすい筋肉になっています。
交感神経や優位になることで呼吸が浅くなり、横隔膜の柔軟性が低下すると、横隔膜に付着している腹横筋や大腰筋、腰方形筋などの腰回りの筋肉に負荷が生じます。その影響で腹圧を入れることができなくなってしまい、ぎっくり腰を発症するというケースも多いです。
腹横筋
腹横筋は体幹の深層にある筋肉で、腹圧を高め体幹を安定させる役割があります。
肋骨や腸骨、胸腰筋膜を介して多裂筋とも連動しており、腰痛とは深い関りのある筋肉です。
腹横筋が正しく使えないと重い物を持った時や体を捻った際に腰やお腹に力が入らず、腰部の関節に負荷が生じ、その結果、急性腰痛を発症します。
これらの筋肉が筋力低下や緊張などで正しく働かないと腰部に負担がかかり関節や筋肉を傷めるという事になります。
ぎっくり腰（急性腰痛）は関節のバランスが崩れる事で発症する
人体の関節にはスタビリティ関節（固定性の関節）とモビリティ関節（可動性の関節）の２種類が存在しており、両者は必ず隣り合っています。そうする事で、効率よく正しく関節を動かすことが可能になります。
例えば、足関節はモビリティ関節で、様々な方向に動くようになっていますが、すぐ上にある膝関節は屈曲伸展と少しの回旋動作しか行えません。手関節と肘関節も同じような仕組みになっています。
そのような固定性と可動性のバランスが崩れた時に関節や筋肉に負荷が生じ腰痛を発症します。
腰椎は本来動かない
足や腕以外にも脊柱も同様です。頸椎は頸椎は固定性、胸椎は可動性、腰椎は固定性、股関節は可動性となっています。
頸椎が固定というイメージな無いかもしれませんが、関節ごとの可動域を調べるとほとんど動いていません。実際に動いているのは胸椎と頸椎の一部の関節だけがとても動いています。
腰椎も同様で、関節の可動域は狭く、ほとんど動きません。腰が動いたり、回っているように見えますが、実際は胸椎が動いており、腰は動いていません。
胸椎と股関節が動かないことが本当の原因
つまり、胸椎と股関節が正しい可動域で動いてくれないと、足りない分の可動域を腰椎が代償して動くことになります。
本来であれば、腰椎は固定性の関節なので、骨や関節の結合が頑丈にされていますが、可動域を越える運動を求められると関節や筋肉に負荷が生じ痛みを感じるという仕組みになります。
つまり、腰への負担を減らすには胸椎と股関節の柔軟性を向上させる必要があります。
前屈動作が分かりやすい
腰痛が発症しやすい姿勢に前屈や中腰の姿勢がありますが、それらの動作は腰だけが曲がっているのではなく、背中や股関節も同様に屈曲しています。
そして、先ほど説明した人体の構造的な関節の可動域の話を踏まえると、本来、前屈の動作の時も腰は曲がらず、背中と股関節を曲げることでその動作を完了する必要があります。ですが、胸椎と股関節の柔軟性が低下していることで、腰に負荷が生じているというのが腰痛のほとんどの原因です。
鍼灸にしかできないアプローチ
深部の筋緊張を解消する
深部の筋肉に直接アプローチ出来るのは鍼灸だけです。
常に引き伸ばされて緊張している多裂筋に対して鍼灸施術をすることで患部の血流を促進し、緊張を緩和していきます。
他にも鍼に通電するパルス療法を使用し、筋肉を収縮させることで筋肉の再教育や脳への認知機能を高めます。そうする事によって患部の緊張が緩和し、正しく筋肉が使用できるようになります。
自律神経を整え内臓の緊張や冷えを解消する
内臓の冷えや緊張が周囲の筋肉の緊張を生み出す要因になっていると解説しましたが、鍼灸施術をすることで自律神経が整い、内臓機能が正常に働きはじめ、血流循環が改善します。
これはただのマッサージでは得られない効果です。手足末端の血管は内臓と繋がている為、手足末端に鍼灸をすることで、血管が拡張し、内臓への血流循環も改善します。
このような反射は鍼灸にしか出来ない治療法で、腰だけでなく、身体全体の機能を改善できます。
ぎっくり腰（急性腰痛）の鍼灸治療で使用するツボ
腰痛やぎっくり腰の施術では、全身を施術し、様々なツボを使用しますが、中でも代表的なツボをご紹介します。
腎兪（じんゆ）
腎兪は、腰にあるツボで、腎臓の働きを助けると言われています。腰痛や冷え、めまいや耳鳴り、消化不良、月経痛など、全身の不調に効果があると言われています。第2腰椎棘突起下縁と同じ高さ、後正中線の外方1寸5分の位置にあります。
腰痛点（ようつうてん）
腰腿点（ようたいてん）とも言い、手の甲で人差し指と中指、薬指と小指の骨が交わる部分の少し上、骨と骨の間の溝に位置しています。腰痛の緩和や筋肉の緊張緩和に効果があるとされています。
飛揚（ひよう）
飛揚は、ふくらはぎの外側中央部に位置しています。腰痛や坐骨神経痛、冷え症、こむら返り、鼻づまり、めまい、立ち眩みなど、さまざまな症状に効果的です。腓腹筋の盛り上がっている下端の、アキレス腱と外くるぶしの間に凹んだ部分にあります。
ぎっくり腰（急性腰痛）はコルセットを使用した方が良いのか？
ぎっくり腰（急性腰痛）を発症した時に、日常生活が送れないほどの痛みが出ている際はコルセットの着用を推奨しております。ただし、痛みが軽減し動けるようになった際は着用を止めるようにしましょう。
長期間の着用は腹部の筋力低下を招き、腰痛が再発しやすくなります。また、腰を代償するように背中や股関節に負荷が生じますので、コルセットを着用していると、他の関節を痛める可能性も出てきます。早期に治療し、コルセットに依存しない身体づくりが必要です。
注意すべきポイント
ぎっくり腰（急性腰痛）中に注意すべき動作について解説していきます。
起き上がる時に手を使って
寝ている状態から体を起こす時は仰向けのまま起き上がるのではなく、一度横向きになり、手や腕の力を利用して起き上がるようにしましょう。
立ち上がる時は足を引いて
イスから立ち上がる時は足を後ろに引き立ち上がるようにしましょう。重心が前方に行かなくなることで腰を曲げずにその場で上方向に向かって立ち上がることが可能です。
座る時は体を捻って
イスに座る時は痛みが出ない方に体を捻ってから座るようにしましょう。そうすることで股関節が安定し、筋肉の使用を最低限に留めることができるので、腰への負担も軽減します。
ぎっくり腰（急性腰痛）が再発しない為のセルフケア
胸椎と股関節のストレッチ
モビリティ関節の胸椎と股関節は柔軟性を向上させる必要があります。
その為にはストレッチもそうですが、関節に近い深部の細かい筋肉はなかなかストレッチをするのも難しくなってきます。そのような筋肉に対して鍼灸施術をすることで筋肉の緊張が緩和し、同時にストレッチや関節の動きをつけるリリースを行う事で、関節の可動域が向上します。
当院の施術ではそれらを同時に行う事で、可動域が広がりその場で症状がラクになることを実感できます。
腹横筋のトレーニング
先ほど説明した多裂筋と深いつながりがあるのが腹横筋です。腹横筋は腰からお腹までを覆うように付着しているコルセットのような筋肉で、体幹の後ろは多裂筋が、前や横は腹横筋が働くことによって、腰椎が安定し正しい動作が可能になります。
腰痛を発症している多くの方が、腹横筋を正しく使えていない事で腹圧が抜け、腰椎に負荷が生じ痛みが出ています。腹横筋を正しく働かせる為のトレーニングが必要です。
①ドローイン
仰向けで下腹部を凹ませた状態で大きく深呼吸を１分間行います。
常に腹部を凹ませ、呼吸の際はお腹ではなく胸を膨らませるように意識しましょう。
※お腹を凹ませる際は全体的に力を入れるのではなく、臍の下の下腹部を凹ませるように意識しましょう。
②背伸び
坐位で頭の上で手を組み背伸びをしましょう。
先ほどのドローイン同様、下腹部は常に凹ませた状態で息を吸う際に上方向に伸びをします。
その際に腹部や背中、腰の筋肉を働かせ、筋肉の収縮を意識しましょう。
※手を組む向きは掌を合わせるようにして組みましょう。
③背伸びで前方に傾ける
②で行った動作を行いながら前方に体を倒します。約４５度くらいの角度になれば十分です。
背中や腰の筋肉が収縮しているのを確認しながら行いましょう。
同様に下腹部は常に凹ました状態です。
※４５度の角度が難しければもっと浅い角度で大丈夫です。背中から腰の収縮を感じられれば問題ありません。
痛みが慢性化する要因に自律神経が関係する
痛みが慢性化する要因の一つに自律神経の乱れががあります。心因性腰痛とも言いますが、自律神経の乱れが原因で痛みを作り出すという事が起きてきます。
ヒトはストレスを感じると交感神経が優位になり、末梢の血管が収縮します。それにより血流循環が悪くなり、痛みの原因物質が停滞し腰痛を発症します。
患部の施術だけでなく自律神経も整えることが重要です。
自律神経を乱すストレスを減らすことが重要
身体的なストレス
身体や脳の疲労、全身のコリや緊張を指します。
身体や脳に疲労が蓄積されることで、身体機能が低下したり、脳の神経回路が常に惰性で活動状態になるので、オンとオフの切り替えが上手くいかず、自律神経も乱れていきます。
鍼灸や整体、運動、ストレッチなどの日々のケアで緊張を解消する事が重要です。
心理的なストレス
日々マルチタスクに追われていたり、リフレッシュできる環境が無い場合や認知の歪みが起きている場合に心理的なストレスが蓄積されます。
認知とは、物事をどう認識するかという事で、それが歪んでいるとストレスを感じるという事です。
認知の歪み、白黒思考、完璧主義、べき思考などと言いますが、今まで生きてきた価値観が正しい、常識だと思い込み、それに当てはまらない事象が起こるとストレスを感じるという事が起きてきます。
認知を変えることで心理的なストレスの軽減に繋がりますので、認知療法や認知行動療法が重要になってきます。
環境的なストレス
生活習慣、職場環境、家庭環境、人間関係に由来するストレスです。不規則な生活習慣や、仕事が忙しく、睡眠時間の確保ができないなど、環境がもたらすストレスがコレにあたります。
目の前の課題、問題をどう解決していくか、感情に支配されず、論理的に物事を考える問題解決能力が必要となります。
「嫌われるかもしれないから話せない」「休みたいけど言えない」など本来解決しなければならない問題があるにも関わらず、感情に支配され、問題を先送りにしてしまい、ストレスが溜まり続けるという事が多く起こりますので、環境が大きなストレスになっている場合は、冷静に対処する必要があります。
ぎっくり腰（急性腰痛）に対する当院の施術
心身の緊張を取り除き脳の興奮を解消していく
当院の鍼灸施術は心地よく優しい刺激で行う事で副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせます。
脳や身体の過剰な緊張を取り除くことで自律神経の乱れを解消し、症状を治していきます。
施術中に眠ってしまうほどの優しい刺激ですので初めての方でも安心して受けられます。
深部の筋肉へのアプローチ
整体やマッサージでは届かない深部の筋肉へのアプローチは鍼灸施術が非常に有効です。
関節付近の細かな筋肉はストレッチなどでは対応できない場合が多いので、当院の鍼灸技術によって、その様な難しい部位へのアプローチが可能になります。
再発を防げ、ずっと健康に
不調には波が存在します。「昨日は大丈夫だったけど今日は辛い」「さっきまで大丈夫だったのに、また急に出てきた」「今週は本当にしんどい」など、症状の波があります。
症状が出る要因は様々ですが、ストレスや疲労が一定以上蓄積されると症状が出現するというのが腰痛の特徴でもあります。つまり、仕事や家事で疲れた時は症状が出やすくなるし、ストレスを感じたり、嫌なことがあれば症状が出てくるという事です。
そして、一度症状が出現すると、症状が出現するボーダーライン(閾値)が下がってしまうのが問題です。
鍼灸施術はそれらのボーダーライン(閾値)を上げることができ、再発しない身体づくりが可能です。
当院でのぎっくり腰（急性腰痛）の改善例
当院の施術は根本的に改善していく事が可能
当院では「身体的なストレス」と「心理的なストレス」両方からアプローチしていきます。
自律神経と痛みに特化した鍼灸整体院として豊富な知識と技術を兼ね備えており、病院やマッサージ、整体など、どこに行っても治らない不調を抱えている人が全国各地から数多くご来院し、改善しております。
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