片頭痛(偏頭痛)の原因と鍼灸での治し方を解説
「病院で片頭痛(偏頭痛)と言われ、具体的な治療法が無くて困っている」「日に日に症状が強くなり治るのか不安」など、筋緊張性頭痛(肩こり頭痛)の症状が辛くてお困りの方へ。
今回は片頭痛(偏頭痛)がなぜ起こるのか、メカニズムから鍼灸での治し方まで徹底的に解説していきます。
片頭痛(偏頭痛)を薬に頼らず治すのが当院の鍼灸施術
心身の状態を健康な元の状態に元すのが鍼灸施術の真髄です。薬物療法に頼らず、根本的に体質を改善し、不安が生じにくい身体づくりが可能です。
病院では原因不明と言われている疾患の患者様が全国各地からご来院し、改善している実績が豊富にございます。
【片頭痛(偏頭痛)の原因】自律神経失調症を解説
片頭痛(偏頭痛)の主な症状には、次のようなものがあります。
- 頭の片側または両側にズキズキと脈打つような痛み
- 痛みが長時間続く場合がある
- 目の前にチカチカとした光が点滅する
- 光や音、においなどに過敏に反応する場合がある
- 吐き気、嘔吐、めまいなどの症状が合わさることがある
- 体力の低下、集中力の低下、イライラ感などの症状がある場合もある
上記のような症状がある方は片頭痛(偏頭痛)かもしれません。
その原因や適切な対処法、注意点、治す為のポイントを解説していきます。
片頭痛(偏頭痛)の正体
偏頭痛は頭の片側、又は両側がズキズキと脈打つような痛みが繰り返し起こる頭痛です。
吐き気などの自律神経症状を伴う事があり、発作が頻繁に出現する場合は、仕事や学校を寝込んで休んでしまうケースも多々あります。
心理的なストレスや光、音など様々な刺激によって顔面や頭部の感覚を司る三叉神経の末端から血管拡張作用のある神経伝達物質が分泌され、脳の表面(硬膜)の神経や血管に炎症が起こり、拍動性の痛みが出現します。
片頭痛(偏頭痛)の主な症状
もう一つの頭痛、緊張性頭痛は非拍動性ですが、片頭痛は拍動性の痛みが繰り返し起こります。
そして特徴的なのは、倦怠感、眠気、あくび、光や音過敏、胃腸の不調、イライラや気分の落ち込みなどの心理症状などの自律神経症状を伴い、発作が出現する前にはそれらが前駆症状として出現する事もあります。
特徴的な痛み方は次の通りです。
- ズキンズキンとした痛み
- 立ち上がったり、起き上がると痛みがひどくなる
- 下を向くと痛みが強くなる
片頭痛(偏頭痛)のメカニズム
片頭痛が起こる原因は頭部の血管拡張です。
様々な説があり、はっきりとした原因が分かっていない部分もありますが、何らかの原因で頭部の血管が拡張し、その血管に三叉神経が触れると刺激が伝わり、血管拡張作用のある神経伝達物質が放出されます。それが脳を包んでいる硬膜に伝わることで炎症を起こし痛みが出ていると考えられています。
頸部の異常が三叉神経を刺激する理由
顔面の感覚(特に前頭部付近)と頸部の感覚(第三頸椎の高さまで)は三叉神経脊髄路核という部位で合流し、脳に感覚を伝えています。つまり、頸部の痛みや不具合を前頭部の痛みや不具合と錯覚する事があります。
実際に胸鎖乳突筋の関連痛(トリガーポイント)は前頭部になっています。前頭部は本来、三叉神経の支配領域ですが、首の筋肉(胸鎖乳突筋)を刺激すると前頭部に痛みを感じるという事は、首の感覚と三叉神経(第1枝)が合流し、脳に感覚を伝えているという事になります。
つまり、首のコリや異常があると、三叉神経を刺激し、片頭痛の原因になり得るという事です。
視覚情報が片頭痛を悪化させる理由
片頭痛は前駆症状として、閃輝暗点というチカチカとした火花が目の前に出てきたり、光の刺激や眼精疲労で片頭痛が誘発されたりすることがあります。その様に目に関わる症状が偏頭痛と関りが深いですが、その理由は次の通りです。
眼精疲労による目の周囲のコリ
デスクワークやスマホで目を酷使すると、目を凝らす動作や集中している特に使われる目の周りの筋肉が持続的に収縮し、眉間やコメカミの付近の筋肉がコリを形成します。そのコリが三叉神経の通り道を妨害し、三叉神経を圧迫し、その刺激が原因となり片頭痛が誘発されます。
眼圧上昇による三叉神経・硬膜への刺激
目を酷使する事で、眼球や視神経の通り道の血液や脳脊髄液の循環が滞り眼圧が上昇します。
その圧力が眼球の強膜から脳を包む硬膜に伝わり、脳圧も上昇します。よって硬膜の神経や血管を圧迫し片頭痛を誘発します。
他にも眼球のすぐ裏には三叉神経の通り道が張り巡らされており、それらの神経を刺激する事でも片頭痛を誘発します。
後頭下筋群のコリによる硬膜への刺激
硬膜は脳や脊髄を包んでいますが、上部頸椎(首の後ろ)まで存在します。首の後ろから後頭部にかけては後頭下筋群という筋肉が付着しており、それらの筋肉が緊張する事で、その緊張が硬膜に波及し硬膜に緊張が生じ、片頭痛を誘発する事があります。
逆に後頭下筋群の緊張を緩めることで硬膜の緊張も緩まるので、偏頭痛の施術の際は非常に重要なポイントになります。
血管を調節するのは自律神経
そもそもの血管拡張が起こる理由は自律神経の機能障害です。
血管の拡張収縮は自律神経がコントロールしており、それらの機能が破綻すると、過剰に頭部の血管が拡張したり、収縮したりしてしまいます。
それらの身体の機能を根本的に正常に働くようにしなければ、痛み止めや予防薬を使用したところで、対処療法でしかなく、薬の効果も薄れてきてしまいます。
血管の調節ができなくなる原因
前述した血管の拡張収縮を乱す要因は次の通りです。
心理的なストレス
ストレスは自律神経の交感神経を優位にさせます。日々ストレスが蓄積されると心身が興奮し、血管が収縮しやすい状態が続きます。ですが、帰宅したり、休日になると緊張が解け、一気に血管が拡張し、片頭痛を誘発します。休日や夕方に片頭痛になりやすい人はストレスが原因かもしれません。
光や音、匂いなどの感覚
前述した視覚情報をはじめ、頭部や顔面部の特殊感覚は神経回路が複雑に絡み合っており、あらゆる感覚が合流し脳に感覚を伝えています。よって、外からの刺激が神経を興奮させ、血管拡張を助長します。
首や背中のコリ
首のコリが三叉神経を刺激する理由については先ほど解説しましたが、背中のコリも自律神経を乱し、血管調節に影響を及ぼします。
固有背筋という背中の筋肉があり、これらは自律神経の交感神経線維と密接に関わっています。
交感神経と固有背筋を支配している神経は吻合し(合わさり)脊髄へと入力されていきます。
つまり、交感神経が興奮すれば固有背筋が収縮するし、固有背筋が収縮すれば交感神経が興奮するという相互関係を持っています。
よって、背中のコリは自律神経を乱し片頭痛を誘発する要因になるという事です。
冷えのぼせ
足の冷えがある事で、血液が頭部に集中する、冷えのぼせの状態でも片頭痛は起こります。
心身がリラックスし、手足末端の血管が拡張しポカポカと温かい状態である事が望ましいですが、心身の緊張や冷え性などにより、足の血管が収縮してしまうと、行き場を失った血液が頭部に集中しますので、結果的に血管が拡張し片頭痛を誘発してしまいます。
生活習慣の乱れ
規則正しい生活習慣をすることで自律神経正しいリズムで機能します。不規則な生活(就寝、起床時間がバラバラ、食事の時間もバラバラなど)を送ってしまうと、自律神経のリズムが乱れ、血管の拡張収縮のリズムも乱れてしまいます。
例えば、夜寝る時は体がリラックスし血管が拡張しますが、その時間帯に仕事やスマホをすることで交感神経が優位になり、身体がリラックスしきらないと睡眠の質が悪くなり、起床時に倦怠感が残り、日中も元気に活動できなくなります。その結果、自律神経のオンオフの切り替えができなくなり、血管調節の障害が発生します。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れでも自律神経は乱れます。代表的なのが更年期障害です。卵巣で作られるホルモンが更年期になると分泌できなくなります。ですが、脳の下垂体(ホルモン産生に関わる)では卵巣で作られるホルモンが足りないと認識し「もっと作れ」と卵巣に命令します。
作れないのに作れと指令が出され続ける事がストレスとなり、自律神経にも影響を及ぼします。
ポリフェノールやアルコールなど摂り過ぎ
赤ワインやカカオに含まれるポリフェノール(苦味成分)やアルコールは血管拡張作用があるため、摂取しすぎると片頭痛の原因になります。適度な量に留めるか、症状が症状が辛い時は摂取しないで頭痛が変化するかを観察した方が良いでしょう。
病院の薬は対処療法
病院での治療は薬物療法が中心になります。痛み止めや予防薬として抗うつ薬や抗てんかん薬などが処方されますが、どれも対処療法となります。
血管の拡張収縮のコントロールや自律神経の状態、ストレスに対する身体の反応を改善できるわけではないので、根本的な改善は見込まれず、薬をやめれば元の痛みが出てきてしまいます。
薬の長期服用は痛みを学習し勝手に痛みを作り出す
頭痛に対する痛み止めを長期間服用していると、中枢性感作という状態になる可能性があります。
痛み止めは痛覚を脳に伝える神経回路を遮断し、痛みを感じない様にするのですが、長期間服用することによって、脳は興奮し痛みを認知しているけど、痛みは伝わってこないという状態になります。
脳は興奮しているけど痛みは感じないという状態は、脳が痛みを正しく認知できなくなり、脳が自ら勝手に痛みを作り出してしまうのです。コレが中枢性感作、脳過敏症候群とも言います。
ストレスの蓄積で痛みに敏感になる理由
長期間ストレスにさらされると、セロトニンの分泌が低下する可能性があり、セロトニンの働きが弱まると、痛みに敏感になってしまいます。
本来は痛み刺激が加わる時に、下行性痛覚抑制系という機能が働き、セロトニンが痛みをブロックしてくれるのですが、セロトニンの働くが弱まると、痛み刺激を過剰に感じるようになってしまいます。
気分の落ち込みや抑うつなどの症状が偏頭痛と随伴して起こるのは、このような理由も考えられます。
片頭痛(偏頭痛)を鍼灸で治す為に重要なポイント
片頭痛(偏頭痛)を鍼灸で治す為に重要なポイントは
「脳の緊張、興奮を取り除く」
「首と背中の緊張を取り副交感神経を優位に」
「眼精疲労を解消する」
以上の3点です。
脳の緊張、興奮を取り除く
筋緊張性頭痛になる原因の一つにストレスがあります。ストレスは交感神経を優位にし、心身の緊張を高めます。不安やストレスに対して脳が過剰に興奮し、敏感に反応している状態です。
まずはその過剰な脳の興奮状態を解消する事が重要です。
鍼灸は副交感神経を優位にし、脳の興奮を鎮める
手足の鍼灸刺激は、脳に直接作用し、副交感神経を優位にする働きがあります。
不安やストレスで常に緊張状態の脳をリラックスさせ、自律神経のリズムを正常に戻すことが可能です。
首と背中の緊張を取り副交感神経を優位に
前述したように首と背中の筋肉の緊張が強まると、筋緊張性頭痛の原因になりますので、それらの緊張を緩和する事が重要です。特に僧帽筋と固有背筋が施術のポイントになります。
局所の血流改善と緊張緩和に鍼灸は非常に有効
鍼灸は軸索反射という生体反応を引き出すことができます。
軸索反射とは鍼灸の刺激を皮膚に加えると、その刺激が皮膚や筋肉の血管に伝わり、その部位の血管を拡張させるという反射を引き出せます。
その効果を利用して局所の血流循環を改善し筋肉の緊張を解消していく事が可能です。
眼精疲労を解消する
前述したように眼球の状態と脳の状態は連動しやすいことから、眼精疲労が蓄積されることによって頭痛が引き起こされることが分かっています。眼精疲労の蓄積により、眼球周囲の循環が低下し、眼圧が高まることによって、その緊張が硬膜に伝わり、脳圧も高めてしまいます。その結果、頭痛に繋がる事が多いので、硬膜と繋がりの深い上部頸椎周囲の筋緊張を解消する事が重要です。
眼球の動きに関わる後頭下筋群
眼球の細かな動きに連動して動く筋肉が後頭下筋群です。後頭部にある4つの筋肉で、これらの筋肉の緊張を解消すると、硬膜を伝わり眼精疲労の解消や眼圧緩和をすることが可能です。
眼精疲労に対する施術は目の周りの以外の、首も重要なポイントになっています。
片頭痛(偏頭痛)を治す為に改善すべきストレスの種類
身体的なストレス
身体や脳の疲労、全身のコリ、遺伝や性別によるバイタリティの差などを指します。
身体や脳に疲労が蓄積されることで、身体機能が低下したり、脳の神経回路が常時、惰性で活動状態になるので、オンとオフの切り替えが上手くいかず、自律神経も乱れていきます。
男性と女性では筋肉量や脳の作りが違うので、できる仕事も違いますし、疲れやすさも人によって変わってきます。
心理的なストレス
心理的なストレスが原因の場合です。日々マルチタスクに追われていたり、リフレッシュできる環境が無い場合や認知の歪みが起きている場合に心理的なストレスが蓄積されます。
認知とは、物事をどう認識するかという事で、それが歪んでいるとストレスを感じるという事です。
よくある例えですが、コップに半分まで水が入っているのを見て、「半分しか水が入っていない」とネガティブに捉えるか、「半分も水が入っている」とポジティブに捉えるかで気持ちは変わります。
つまり、現実で起きている事実は同じでも、捉え方によってストレスの感じ方が変わるという事です。
認知の歪み、白黒思考、完璧主義、べき思考などと言いますが、今まで生きてきた価値観が正しい、常識だと思い込み、それに当てはまらない事象が起こるとストレスを感じるという事が起きてきます。
「〇〇して当たり前」「〇〇はすべきだ」「必ず〇〇でなければならない」など、その人特有の考え方のクセがあると、それが原因でストレスを感じ、不調に陥るという事が多くあります。
環境的なストレス
生活習慣、職場環境、家庭環境、人間関係に由来するストレスです。不規則な生活習慣や、仕事が忙しく、睡眠時間の確保ができないなど、環境がもたらすストレスがコレにあたります。
目の前の課題、問題をどう解決していくか、というのが大切になってきます。感情に支配されず、論理的に物事を考える問題解決能力が必要となります。
「嫌われるかもしれないから話せない」「休みたいけど言えない」など本来解決しなければならない問題があるにも関わらず、感情に支配され、問題を先送りにしてしまい、ストレスが溜まり続けるという事が多く起こります。
片頭痛(偏頭痛)を治すうえで注意すべきポイント
規則正しい生活習慣を送る
生活習慣が乱れれば、自律神経のリズムも乱れ、片頭痛が起こりやすくなります。就寝、起床時間は休日でも同じ時間に設定しましょう。オンオフの切り替えをハッキリとするために、日中も自宅にいるのではなく、少し外出したり、活発に活動するように心がけましょう。
ポリフェノールやアルコールを控える
先程ご説明しましたが、ポリフェノールやアルコールは血管拡張作用がありますので、多量に摂取している人は控えましょう。2週間~1か月程摂取を控えて効果を実感した場合は継続してみると良いでしょう。
カフェインを控える
カフェインは一時的に交感神経を優位にし、脳を覚醒状態に導きます。ですが、その後血管が拡張するので、その反動で片頭痛を引き起こすことがあります。自律神経のリズムが安定していない時にカフェインを摂取するとリズムも乱れてしまうので、ノンカフェインのコーヒーなどで代用しましょう。
片頭痛(偏頭痛)に対する当院の施術
心身の緊張を取り除き脳の興奮を解消していく
当院の鍼灸施術は心地よく優しい刺激で行う事で副交感神経を優位にし、心身をリラックスさせます。
脳や身体の過剰な緊張を取り除くことで自律神経の乱れを解消し、症状を治していきます。
施術中に眠ってしまうほどの優しい刺激ですので初めての方でも安心して受けられます。
日々のセルフケアでは追い付かないコリや疲労を解消する
日々のセルフケアでも筋肉の緊張やコリは解消できますが、やはり限界がある場合が多いです。
それに費やす時間が無かったり、そもそも仕事の量が多すぎるという方は、セルフケアだけでなく、鍼灸や整体で身体の状態を外部から整える必要があります。
その様にお体のメンテナンスをしていると、長い間健康な体で過ごすことができるようになります。
再発を防げ、ずっと健康に
不調には波が存在します。「昨日は大丈夫だったけど今日は辛い」「さっきまで大丈夫だったのに、また急に出てきた」「今週は本当にしんどい」など、症状の波があります。
症状が出る要因は様々ですが、ストレスや疲労が一定以上蓄積されると症状が出現するというのが自律神経の不調の特徴です。つまり、仕事や家事で疲れた時は症状が出やすくなるし、ストレスを感じたり、嫌なことがあれば症状が出てくるという事です。
そして、一度症状が出現すると、症状が出現するボーダーライン(閾値)が下がってしまうのが問題です。
鍼灸施術はそれらのボーダーライン(閾値)を上げることができ、再発しない身体づくりが可能です。
当院での片頭痛(偏頭痛)の改善例
当院の施術は根本的に改善していく事が可能
当院では「身体的なストレス」と「心理的なストレス」両方からアプローチしていきます。
自律神経と痛みに特化した鍼灸整体院として豊富な知識と技術を兼ね備えており、病院やマッサージ、整体など、どこに行っても治らない不調を抱えている人が全国各地から数多くご来院し、改善しております。
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